遺産分割協議後に住所変更した相続人(印鑑証明書はどちらもの?)
相続が発生した場合には、相続人全員で遺産相続方法を話し合います。
話し合い成立後は、「遺産分割協議書」という書類を作成します。
なお、遺産分割協議書には各相続人の
・実印での押印
・印鑑証明書の添付
が必須です。
話し合い成立後に引っ越しをすることもありうる!
「遺産分割協議後に住所変更(引っ越し)をした方がいる」というケースが稀にあります。
このようなときは、「旧住所・新住所」のどちらの印鑑証明書が必要なのでしょうか?
このページでは「遺産分割協議後に引っ越した相続人の印鑑証明書」について解説いたします。
遺産分割協議書には印鑑証明書の添付が必要となる
遺産相続について当事者全員の話し合いをまとめた書類を遺産分割協議書といいます。
遺産分割協議書は、必ず「実印」での押印が必要になります。
・不動産の名義変更
・預貯金の手続き
等に代表される各種相続手続きでは「実印の押してある遺産分割協議書」が必要なのです。
また、実印を押印するため「印鑑証明書」もセットで必要になってきます。(実印かどうかチェックするため)
印鑑証明書には住所・氏名が記載されている
印鑑証明書には本人の
・住所
・氏名
が記載されています。遺産分割協議書には、「印鑑証明書記載のとおり住所氏名」を記入する必要があります。
遺産分割協議後に住所変更があった相続人:印鑑証明書はどちら?
さて本題です。
事例として稀ですが、「遺産分割協議後に住所変更をした人がいる」というケースが考えられます。
というのも、
・遺産分割協議(話し合い)の成立
・実際に書類作成と各当事者の署名捺印
この2つには時間差があるからです。
話しあい成立後、手続きを先延ばしにされる方もいる
話し合いはまとまっているけれど、手続きについてずっと先延ばしにされているという方がいらっしゃいます。
その場合には、
・話し合い成立の日(1月頃)
・書類作成と署名捺印の日(8月頃)
ということが起こります。
そして、この間で引っ越しをされている方も出てくるのです。
このような場合は、住所移動した相続人は「旧住所・新住所」どちらの印鑑証明書が必要になるのでしょうか?
これから書類を作る→新住所の印鑑証明書を準備しておけばOK
遺産分割協議書には「作成日付」を記述します。
その日付は「相続人の方が署名押印をする日」とすることが一般的です。仮に10年前に話し合いが済んでいたとしても、書類の日付は「署名押印日」としましょう。
【先ほど紹介した具体的事例】
・話し合い成立の日(1月頃)→東京都豊島区の住所
・書類作成と署名捺印の日(8月頃)→東京都新宿区の住所
この場合は「新宿区住所の印鑑証明書」を準備すればOKです。
遺産分割協議書記載内容も新住所にする
遺産分割協議書には、各相続人の表示(住所・氏名)が必要になります。「東京都新宿区○丁目○番○号 A」
この住所についても「新住所」で書類を作成してください。
話し合い成立日時点では「旧住所」であったとしても、実際に書類作成日「新住所」を使用します。
【混乱注意!参考までに】
ここで説明するのは、「話し合い成立・書類調印は終了。その後に引っ越した」というケースです。
・話し合い成立の日(1月頃)→東京都豊島区の住所
・書類作成と署名捺印の日(8月頃)→東京都豊島区の住所
・引っ越し(10月頃)→豊島区から新宿区へ転出
この場合は、住所移動した相続人がいるからといって10月以降に再度遺産分割協議書を作成する必要はありません。
8月に作成された「豊島区の住所の遺産分割協議書・印鑑証明書」で有効です。
まとめ
ここまで「話し合い成立~書類作成の間に住所移動した相続人と印鑑証明書」について解説してきました。
新住所の印鑑証明書を用意することを覚えていただき、今後の相続手続きのお役立てください。
・話し合いの成立、遺産分割協議書の調印日には時間差がある
・その間に引っ越しをする相続人もいる
・遺産分割協議書の日付は「調印日」(話し合い成立日ではない)
・これから書類作成をするときは、新住所の印鑑証明書を準備