相続登記における「同一性の確認」とは?
故人名義の不動産がある場合には相続登記が必要です。
相続登記において「同一性の確認」という論点があります。
これはいったい何を指すのでしょうか?
このページでは「相続登記における同一性確認」について解説いたします。
同一性の確認とは?
本ページのメインテーマは「同一性の確認」です。
「どういつせいのかくにん」と読みます。
これは相続登記(不動産名義変更)において非常に重要な点です。
では、いったいどのような点を指すのでしょうか?
同一性の確認=同一人物である旨の証明
同一性の確認とは、一言でいえば「2人の人物が同一人物である旨の確認証明」のことです。
同一人物である旨の確認証明???
ここで多くの方の頭の中に「?」が浮かんだと思います。
説明が難しい論点ですので、より深く解説していきます。
「戸籍上の死亡者&登記名義人」が同一人物であることを確認
更にもう一歩踏み込んで「同一性の確認」を説明すると、
1.戸籍上の人物=戸籍謄本上の死亡者
2.登記名義人=不動産の所有者
の両者が同一人物である旨を確認することを指します。
同姓同名の別人物である可能性がある
上記で説明したとおり、同一性の確認とは「戸籍上の人物&登記名義人」の両者が同じ人物であることを確認する作業です。
「戸籍上の人物&登記名義人」両者の名前が全く一緒だからといって、両者が必ずしも同一人物とは限りません。
同姓同名の別人物という可能性も否定できないのです。
同一人物である旨を確認する作業は必須
相続登記において同一性の確認は非常に重要な作業です。
(同姓同名の別人物の登記を防止する観点から)
この工程が不要となれば、
・全く無関係の同姓同名の人物が所有している不動産(所有者は存命)
→相続登記申請が受理されてしまう
という結果になります。
同一性確認の方法
ここまで「同一性の確認」について概要を説明いたしました。
簡単にまとめますと、
・戸籍謄本上の死亡者
・登記名義人
が同一人物であること(同姓同名の別人でないこと)を証明する作業が「同一性の確認」となります。
ここからは、同一性確認の方法について説明していきます。
住民票除票(本籍地入り)を取得して同一性確認
同一性確認は「本籍地入りの住民票除票」を取得することで行うことが可能です。
・戸籍謄本→故人の本籍地&氏名が記載
・登記簿→所有者の住所地&氏名が記載
となります。
両者に共通しているのは「氏名のみ」です。
そのため、このままでは同一性の確認はできていません。
(同姓同名の別人かもしれない)
ここで「本籍地入りの住民票」を準備してください。
住民票除票には「本籍地・住所地・氏名」の3つの情報が記載されています。
したがって、住民票除票により
・戸籍謄本→故人の本籍地&氏名が記載
(住民票除票=本籍地&住所地&氏名)
・登記簿→所有者の住所地&氏名が記載
(住民票除票=本籍地&住所地&氏名)
両者を関連付けることができるのです。
同一性の確認は「戸籍の附票」でも可能
同一性の確認は「戸籍の附票」でも対応可能です。
(住民票除票・戸籍附票のいずれか一方を準備すればOK)
これは、戸籍の附票にも
・本籍地
・住所地
・氏名
と3つの情報が記載されているためです。
まとめ
ここまで「登記における同一性の確認」について解説いたしました。
相続登記において重要な作業ということを覚えていただき、今後の相続登記にお役立てください。
・相続登記において同一性確認は重要
・同一性確認とは「戸籍上の人物&登記名義人」の両者が同一人である旨の確認
・住民票除票や戸籍附票を使って同一性確認を行うことができる