原本還付のメリットとは?(相続登記)

故人名義の不動産がある場合には相続登記が必要です。

相続登記は不動産所在地の法務局という役所に対して申請します。
そして、その際には「戸籍謄本・印鑑証明書など」の書類を提出します。

不動産登記制度において「原本還付」という制度があるのですが、これはどういったメリットがあるのでしょうか?

このページでは「原本還付のメリット(遺産相続の登記)」について解説いたします。

相続登記の際に法務局に提出する書類とは?

まず前提として、相続登記において法務局に提出する書類について説明いたします。
相続登記の際には、

・戸籍謄本
・住民票(または戸籍の附票)
・遺産分割協議書
・印鑑証明書
・固定資産評価証明書

等といった書類の原本を提出します。
(上記で挙げたものは代表例です。各事例に応じて書類内容は少々異なる)

原本還付とは?

また、原本還付という制度についても簡単に説明したいと思います。

原本還付とは文字のとおり「書類の原本を還付してもらうこと」を指します。
上記であげた戸籍謄本等の書類一式は原本を法務局に提出します。

原本還付を行うことにより「手続完了後に書類原本一式が返却される」という取扱いになるのです。

原本還付できる書類とは?

それでは、どういった書類が原本還付できるのでしょうか?
「遺産相続における相続登記」に関しては、ほとんど全ての書類を原本還付することが可能となります。

上記で具体例として挙げた

・戸籍謄本
・住民票(または戸籍の附票)
・遺産分割協議書
・印鑑証明書
・固定資産評価証明書

これらの書類は相続登記において全て原本還付可能となります。

相続登記における原本還付のメリットとは?

さて、前置きが長くなりましたが、ここからがこのページの本題です。
以下、相続登記における原本還付のメリットについて説明いたします。

また、デメリット(面倒な点)についても解説いたしますので今後の参考にしてみてください。

メリット1:書類原本が返却される:1通の書類を使いまわせる

当たり前の話ですが、原本還付をすると「戸籍謄本等の書類原本」が返却されます。
これは、原本還付における最大のメリットです。

その結果、

・戸籍謄本、印鑑証明書等を銀行の相続手続きにも使える
(1通の書類を使いまわすことができる)
(書類を何枚も取得しなくて良い=手間が省ける+費用面でも良い)

ということになります。

メリット2:遺産相続の書類原本を保管することができる

また、遺産相続における書類一式を保管しておきたいという方は多いと思います。

この場合、原本還付をすることで書類原本を手元にて保管することが可能となります。

(原本還付を利用しない=書類原本は法務局から返却されない)

原本還付の面倒な点について

ここまで、原本還付を利用することによる良い点について説明いたしました。
ここからは「デメリット(面倒な点・手間がかかる点)」について簡単に説明します。

私が考えるデメリットは、

・原本還付処理が面倒(やり方がわからない)
・相続関係説明図の作成が難しい(面倒)

という点です。

原本還付処理が面倒

登記申請における原本還付は方式が決まっています。
(口頭で「原本返却してください」ではダメ!)

登記申請に慣れていない方にとっては、原本還付処理が面倒・手間がかかると感じる方もいらっしゃいます。

原本還付処理の方法はこちらのページにて解説しております。
【原本還付処理の方法について】

相続関係説明図を作成するのが大変

戸籍謄本の原本還付に関しては「相続関係説明図」を作成することが便利です。
(相続関係説明図とは「家系図」のようなものです。)

こちらを作成するのが大変・面倒と感じる方もいらっしゃると思います。

まとめ

ここまで「相続登記における原本還付のメリット」について解説いたしました。
面倒な方はわざわざ原本還付をしなくても良いと思いますが、活用すると大変便利な制度です。

・原本還付=登記完了後に書類原本が返却される
・原本還付する→ほかの相続手続きにも書類を使い回せる
(上手く活用すると便利な制度です。)
・面倒だと思う方はわざわざしなくても良い(原本還付は必須事項ではない)


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