相続登記に使用する変更証明情報(戸籍謄本)

故人所有の不動産がある場合は、相続登記が必要です。

相続登記の添付書類に「変更証明情報」があります。

これはどのような書類を指すのでしょうか?
どのような場面で必要となるのでしょうか?

このページでは「相続登記に使用する変更証明情報(戸籍謄本)」について解説いたします。

変更証明情報が必要となる場面

通常の相続登記では、変更証明情報は不要です。

・登記上の氏名
・死亡時の戸籍謄本の氏名

が異なる場合のみ、変更証明情報が添付書類となります。

「登記簿上の氏名」・「戸籍謄本の氏名」が異なる場合あり

不動産は「登記簿」という帳簿のようなもので管理されています。

登記簿には「所有者の氏名・住所」といった土地建物の権利関係に関する情報が記載されています。

記載されている住所は不動産取得時の住所氏名

なお、不動産登記簿に反映されているのは「不動産取得時の住所氏名」です。

一生のうち、

・婚姻(離婚)
・養子縁組

などの理由で「苗字」が変わることがあります。

氏名変更登記は任意

氏名が変わったときには、「氏名変更登記(名変登記)」が必要になります。

この登記申請を行うことで、今現在の氏名を登記上に反映させることができるのです。

ただし、この登記申請は任意です。(当事者の判断に任される)
そのため、氏名変更登記をしないまま死亡するケースも数多くあるのです。

登記上の氏名が旧姓の場合もある

氏名変更登記をしていないケースでは、

・死亡時点での氏名(例:婚姻後の苗字)
・所有権取得時の氏名(例:旧姓)

と両者の記載内容が異なることになります。

そのため、登記簿上の名前が「婚姻前の旧姓のまま」という状況も有り得る話なのです。

相続登記の場合:氏名変更登記は省略可能

通常の登記申請であれば、

1.氏名変更登記

2.所有者変更の登記(所有権移転)

という流れになります。

ただし、相続登記の場合は例外です。

氏名変更登記を省略して、いきなり相続登記を申請することが可能となっています。

同一性の判断ができない

上記の説明のとおり、遺産相続の場面では氏名変更登記を省略できます。
ただし、この場合は問題が生じます。

それは、

・登記簿上の氏名(例:婚姻前の苗字)
・戸籍謄本の氏名(例:婚姻後の苗字)

が異なることにより同一性の判断ができないということです。

具体例を挙げますと、

・登記簿上の氏名→齋藤恵子
・戸籍謄本の氏名→鈴木恵子

これでは、両者が同一人物であるかどうかの確認が取れません。

氏名の変遷が分かる資料が必要となる

相続登記の際は、

・登記上の人物
・戸籍謄本で死亡記載ある人物

の両者が同一人物であることを確認する必要があります。

そのため、氏名変更の事由が分かる資料が必要になるのです。

これが「変更証明情報」と呼ばれる書類です。
では、変更証明情報にはどのような書類が該当するのでしょうか?

氏名変更:変更証明情報は戸籍謄本

さて、このページの本題です。

所有者に氏名変更があった場合の変更証明情報は「戸籍謄本」が該当します。

戸籍謄本には、一生の中で起こった身分上の事由が記載されています。

戸籍謄本を取得することで、

・婚姻(離婚)
・養子縁組

など苗字が変わったことを証明することができます。

変更証明書を添付することで同一性を証明

変更証明情報(戸籍謄本)を添付することで、

・登記簿上の人物
・戸籍謄本の人物

が同一人物であることを証明できます。

登記簿の所有者は「A山」という苗字だけれど、その後婚姻により「B川」に苗字が変わっている。
→戸籍謄本を添付することで「A山さん・B川さん」は同一人物と立証できる

まとめ

ここまで「相続登記に使用する変更証明情報(戸籍謄本)」について解説いたしました。
氏名変更の場合は戸籍謄本が変更証明情報になると覚えていただき、今後の相続登記にお役立てください。

・「登記上の氏名」と「故人の氏名」が異なる場合あり
(氏名変更登記は任意のため)
・遺産相続の場面では氏名変更登記は不要
・ただし、変更証明情報が必要となる
・氏名変更のとき→戸籍謄本が変更証明情報


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