相続人の1人が単独で固定資産評価証明書の取得できる?

故人名義の不動産がある場合には、相続登記が必要になります。
(相続登記とは、法務局にて行う不動産名義変更の手続きのこと)

相続登記申請の際には「固定資産評価証明書」という書類が必要になります。これは、登記申請時に納付する「登録免許税」という税金の算出のためです。

それでは、相続人の1人が単独で固定資産評価証明書を取得できるのでしょうか?
他の相続人と共同で書類請求の申請をしなくても大丈夫なのでしょうか?

このページでは「相続人の1人が単独で評価証明書を取得できるか」について解説いたします。

評価証明書は原則所有者のみ取得できる書類

まずはじめに大原則を説明いたします。

固定資産評価証明書は、誰でも好き勝手にに取得できる書類ではありません。(不動産登記簿謄本は、誰でも取得可能ですが)

基本的に評価証明書を取得できるのは「所有者」となります。

所有者以外の人物が役所窓口に出向いたところで、正当な理由の無い限り評価証明書を発行してもらえることはありません。

遺産相続の場面では「所有者」は死亡している

遺産相続の場面では物件の所有者は既にお亡くなりになっています。
そのため、所有者本人が役所に申請を行うということは不可能です。

では、評価証明書は取得できないのでしょうか?

故人の権利義務が相続人に承継される

いいえ、そうではありません。

相続発生に伴い、故人の一切の権利義務が相続人に承継されます。

不動産所有者(故人)

不動産所有者の地位が相続人に承継される

ということになります。

相続人が複数人いるケース

遺産相続の場面では、相続人が複数いるというケースの方が多いです。

(例)
故人:A
相続人:妻B、長男C、長女D

相続人が複数いる場合、評価証明書の取得は各人が単独で行うことができるのでしょうか?

それとも、所有者(承継者)全員での申請が必要となるのでしょうか?

結論:相続人のひとりから単独請求できる!

さて、このページの本題です。
結論から申し上げますと、相続人のひとりから単独で評価証明書を取得することが可能です。

他の相続人と共同申請が必要というわけではありません。
また、他の相続人からの委任状も不要です。

財産調査・書類取得は各人が単独で可能

固定資産評価証明書の請求は

・遺産調査(評価額の確認)
・必要書類の取得

の側面があります。

これらについては、各相続人が単独で行うことが可能とされています。

相続人が請求する場合は戸籍謄本が必要!

なお、相続人から固定資産評価証明書を取得する場合は戸籍謄本が必要となります。

先ほど、「評価証明書は原則本人しか取得できない」と説明しました。
戸籍謄本を持たずに申請窓口に出向いても、帳簿に記載されている所有者ではないので書類取得ができません。

戸籍謄本によって

・所有者が死亡したこと
・自分が相続人(権利承継者)に該当すること

を証明する必要があるのです。

具体的には

・故人の死亡記載のある戸籍謄本
・請求者自身の戸籍謄本

が必要となります。

請求者以外(他の相続人)の戸籍謄本は不要

簡単な具体例にて解説いたします。

【基本事例】
故人:夫A
相続人:妻B、長男C、長女D

固定資産評価証明書を「妻B」が取得すると想定してください。

この場合に必要な戸籍謄本は、

・夫Aの死亡記載ある戸籍謄本
・妻Bの現在の戸籍謄本

となります。

「長男B・長女D」といった他の相続人の戸籍謄本は不要です。

なお、夫婦は同じ戸籍に載っています。
戸籍謄本は1通でOKです(2通準備する必要なし)

まとめ

ここまで「相続人の1人が単独で固定資産評価証明書の取得できるか」について解説いたしました。

単独で請求可能ということを覚えていただき、今後の書類取得にお役立てください。

・固定資産評価証明書は原則所有者のみ取得可能
・遺産相続のとき=相続人は権利承継者として請求可能
・相続人が複数いても各人が単独で取得できる
・請求者以外の相続人の戸籍謄本は要らない


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