異母兄弟(異父・腹違い)がいる相続の対処法
相続発生時において、まずはじめに行うことが「相続人の確定」です。
相続人調査をするなかで、異母兄弟・異父兄弟・腹違いの兄弟の存在が明らかになることがあります。
異母兄弟(異父)とは面識・交流が無いという方が多いです。
そのため、どのように遺産相続を進めればいいのかお困りになる方が多くいらっしゃいます。
このような場面では、どのように対処すればよいでしょうか?
このページでは、異母兄弟(異父・腹違い)との相続:対処法について解説いたします。
異母兄弟(異父)・腹違いの兄弟の存在が明らかになる経緯
相続手続きを進める際は、相続人全員の話し合いによって方針を決めていきます。
そのためまず、「相続人該当者の確定」が必要となるのです。
相続人調査にあたっては、戸籍謄本を集める作業を行います。
具体的には、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得するのです。
出生から死亡までの戸籍を取得すると、誰が相続する権利を持つのか(=誰が相続人かどうか)が確定します。
戸籍取得により親族関係が明らかになる!
戸籍を取ることで、離婚・再婚などを含めた全ての身分関係が明らかになります。
その結果、異母(異父)兄弟の存在が明らかになることがあるのです。
ケースとしては、
・離婚・再婚歴があり前配偶者との間の子がいる
・未婚の子がいる
といった事情により、異母兄弟(異父・腹違い)が判明するケースが多いです。
生前から異母兄弟(異父・腹違い)のことを知らされている事が多いですが、戸籍を取得して初めて明らかになるというケースもございます。
異母(異父)兄弟と面識のないという事例も多い
異母(異父)兄弟の方と普段から頻繁に連絡を取り合っているという方は大変稀です。
多くの方は「疎遠である・連絡先すら知らない」という状況であると思います。
では、このような場合はどのように対処したらよいでしょうか?
面識の無い異母(異父)兄弟との連絡・解決方法
異母(異父)兄弟がいる場合「連絡先すら知らない」という方も多いと思います。
遺産相続は、原則として「相続人全員での話し合い」により手続きを進めます。
そのため、まず異母(異父)兄弟の方と連絡を取ることを最優先に考えましょう。
異母(異父)兄弟の戸籍謄本を取得する
まず、異母(異父)兄弟の方の戸籍謄本を取得しましょう。
故人の戸籍の中で異母兄弟(腹違いの兄弟)の記載がある箇所を見てください。
その中には「婚姻・養子縁組・転籍」などによって当該人物が他の戸籍に出て行っていることが記載されています。
そうしたら、異動した先の戸籍を追いかけていきましょう。
戸籍を追跡して、最終的に「今現在の戸籍まで」たどり着くことが必要です。
なお、兄弟姉妹の戸籍は原則委任状がないと取れません。
※司法書士や行政書士などの専門家は戸籍を取得することができますので、異母兄弟(異父)・腹違いの兄弟の戸籍集めは外注した方が簡単です。
戸籍の附票を取得する:住所の把握
ここまでで、異母兄弟(異父)・腹違いの兄弟の現在の戸籍謄本を取得できました。
次は、「戸籍の附票」という書類を取得します。
戸籍の附票には現在の住所が記載されています。
結果として、異母(異父)兄弟の方の現住所を把握することが可能となるのです。
手紙を送る
ここまでで「異母(異父)兄弟の住所の調査」ができました。
これでやっと連絡を取れる状態となります。
戸籍の附票に記載されている住所宛にお手紙を送り、話し合い(遺産分割協議)をするというのが解決方法です。
まとめ
ここまで異母兄弟(異父)・腹違いの兄弟の相続についての解説です。
このページの内容を覚えていただき、今後の遺産相続にお役立てください。
・被相続人の戸籍を見れば、異母兄弟を調査できる。
・異母兄弟との連絡方法→戸籍の附票を取得して、お手紙を送る方法がある。