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遺言書に書かれた財産が生前に処分されているときは?

故人が生前に遺言書を残していることがあります。

ただ、

・遺言書を書いた時点
・遺言書の効力発生日

には長い期間のズレがある事が多いです。

遺言書に書いてある財産が既に処分されているときは、どのような取扱いとなるのでしょうか?
遺言書全体が無効となるのでしょうか?

このページでは「遺言書に書いてある財産が処分済みの場合」について解説いたします。

遺言書の効力発生時点

遺言書は「書いたその時点」で効力を持つものではありません。
遺言書の効力発生は「遺言者の死亡時」となります。

遺言書は法律文書として故人の最後の意思を表すものです。
そのため、効力発生は死亡時点と定められているのです。

書いた日・効力発生日にズレが生じる

遺言書は「元気なうち」に書いておくことが通常です。
そのため、

・遺言書を書いた日
・遺言書の効力発生日(死亡日)

には日にちのズレがあります。

遺言書の内容(財産)が処分済みのケース

【基本事例】
私は下記土地をBに遺贈する。

土地の表示
所在 豊島区池袋本町○丁目
地番 ○番○

という遺言書があるケースを想定してください。

遺言書を書いた後、生前に対象不動産を売却している(生前贈与している)ことも可能性として有り得る話です。

もし、故人の死亡時点において「対象の財産が処分済み」の場合はどうなるのでしょうか?

遺言書自体が無効となるわけではない!

さて、このページの本題です。
遺言書に書いてある財産が処分済みであっても、遺言書全体の効力が無くなるわけではありません。

以下、具体例をもとに解説いたします。

遺言書の具体例

【基本事例】
遺言書

1.下記土地をBに遺贈する。
不動産の表示
所在 板橋区板橋○丁目
地番 ○番○

2.全ての預貯金をCに遺贈する。

上記のような遺言書があるケースを想定してください。
この場合に「板橋区の土地を生前に売却済み」の場合はどうなるのでしょうか?

土地部分の記述は効力を持たない!

遺言の中に「板橋区の土地をBに遺贈する」と書いています。
しかし、それは生前に処分されています。

したがって、該当の土地部分に関する遺言書の記述は無効となります。
無効であるのは、あくまでも「該当の処分済み財産に関する部分のみ」です。

生前の売却(贈与)により先の遺言書を取り消したと考える

遺言書を書いてから実際に相続が発生するまでは大きな時間があります。
その間に本人に気持ちの変化があることも十分に考えられます。

・遺言書を書く(2015年)
→不動産をBに遺贈する

・不動産の売却(2018年)
→不動産を第三者に売却する

このような事態も考えられるのです。

本人が「遺贈よりも売却」を選んだわけです。
したがって、先の遺言書に書いた遺贈行為は「取り消された(撤回)」と考えるのが通常でしょう。

結論として「処分済み財産に関する部分」は遺言書として効力を持ちません。

結果:Bさんは対象土地を取得できない

故人の財産生前処分により、この場合のBさんは土地を取得することができません。

もちろん、生前の故人から不動産を購入した人(贈与を受けた人)に対して返却を求めることはできません。

また、生前の処分行為に際して「自分は将来受取人に指定されているんだ!」といって差し止めることはできません。

遺贈の受遺者に指定されていても、それはあくまでも将来に対する期待権にすぎません。
遺言者の生存期間中は、何ら具体的権利はないのです。

処分されていない財産部分は有効!

なお、この場合遺言書全体が無効となるわけではありません。

上記で紹介した基本事例では、

・全ての預貯金をCに遺贈する。

という記述もあります。
こちらについては、現時点でもなお有効な部分なのです。

預貯金についてはCが取得する

遺言書は法律文書として有効なものです。
したがって、預貯金については「C」に権利があります。

まとめ

ここまで「遺言書に書かれた財産が処分済みの場合」について解説いたしました。
生前処分された部分のみ無効になるということを覚えていただき、今後の遺産相続にお役立てください。

・遺言書を書いた後に気が変わることもある
・そのため、遺言書に書いてある財産を生前処分することもある
・生前処分=遺言書の内容の撤回(取り消し)
・遺言書全体が無効となるわけではない


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