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遺言執行者が複数いるときの執行・役割分担

遺言書がある場合は、原則として遺言書どおりに相続手続きを進めていきます。

ただ、遺言書の効力発生時点では遺言者(遺言書を書いた人)は既に亡くなっています。
そのため、相続人や遺言執行者が実際の手続きを行います。

遺言の内容実現に向けて動く人のことを「遺言執行者」といいます。
事例として稀なのですが、遺言執行者が複数人指定されている場合があります。

遺言執行者が複数いる場合は、執行の役割分担はどのように決まるのでしょうか?

このページでは「遺言執行者が複数いる場合の役割分担」について解説いたします。

遺言執行者の人数に制限はない!

遺言執行者の人数に関しては特に制限する規定はありません。
そのため、複数人を遺言執行者として指定(選任)することも可能です。

その場合、各遺言執行者の職務分担(役割分担)についてはどのように決するのでしょうか?

遺言書に遺言執行者の役割分担の指示があるか?

複数の遺言執行者の役割分担については「遺言書の中での指示の有無」が大きな影響を及ぼします。

基本的には、遺言者(故人)の意思を尊重するような制度になっています。

遺言書の中で職務分担の指示あり

はじめに、遺言書の中で遺言執行者について「職務分担の指示あり」というケースを解説いたします。

事例として

遺言執行者にA・Bを指定する。
Aは不動産の遺言執行の権限を与える。
Bは預金の遺言執行の権限を与える。

という遺言書がある事例をイメージしてください。

遺言書の中の指示によって決定される

このような場合には「遺言者の意思」が尊重され「各遺言執行者の執行分担は遺言の指示通り」となります。

遺言執行者Aさんは不動産の遺言執行を、Bさんについては預金の遺言執行を行います。

遺言書の中で職務分担の指示なし

次に、遺言書の中で「役割分担について何も指示がない」というケースについて解説いたします。

事例としては、

遺言執行者にA・Bを指定する。

という内容(各遺言執行者の役割分担の指示なし)の遺言書があるケースを想定してください。

遺言執行者の過半数で決定する!

役割分担に関する指示がない場合には、各遺言執行者の過半数(多数決)により職務分担を決します

協議・過半数の決定によって、役割分担・遺言執行を行うのです。

【過半数の計算例】
過半数とは「半分以上(51%以上)」のことです。50%では足りません。

・遺言執行者が2名の場合→全員の一致が過半数となります。
(1人が反対=過半数とならない)

・遺言執行者が3名の場合→2人以上の賛成が過半数となります。

ただし、保存行為は各遺言執行者が単独で可能!

上記では、「遺言執行者の過半数によって遺言執行の分担を行う」という説明をいたしました。
しかし、例外規定もあります。それは「保存行為」と呼ばれるものです。

保存行為とは「資産価値を現状のまま維持するための行為」とお考えください。

具体的には

・家屋の修繕
・時効の中断
・弁済期の到来した債務の弁済
・腐敗しやすいものの売却換価

などが挙げられます。

これらの行為について、遺言執行者が複数いる場合であろうと各人が単独で行うことが可能です。
なぜなら、「財産の価値を守るための行為」だからです。

まとめ

ここまで「遺言執行者が複数いるときの執行・役割分担について」解説いたしました。
本ページの内容をご理解いただき、今後の遺言執行手続きにお役立てください。

・遺言執行者が複数いるときの各人の役割分担
・遺言書に指示がある→その指示に従って執行・職務分担
・遺言書に指示なし→遺言執行者の過半数で執行・職務分担を決定
・なお、保存行為については各遺言執行者が単独で可能


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