遺言執行者とは?
遺言書作成者が死亡した時点で、遺言書の効力が発生します。
相続発生後は、遺言書に書かれている内容に従って相続を進めていくこととなります。
遺言書の内容に従って相続を進めていく人を遺言執行者といいます。
遺言執行者はどういった役割・権限を持つのでしょうか?
このページでは、遺言執行者について解説いたします。
遺言執行者の役割・権限
遺言執行者は、遺言書の内容を実現していくのが仕事になります。
具体的には以下のような仕事が遺言執行者の仕事内容・権限です。
1.遺言執行者に就任したことを相続人・受遺者に通知する。
2.財産目録を作成、相続人・受遺者に交付する。
3.遺言書に認知や廃除の内容がある時には、必要な手続きをする。
4.遺言書の内容に基づき、相続手続きを行う。
要するに、「遺言書の内容を履行する役割・それに必要な権限」が遺言執行者にあるということです。
遺言執行者になる人物(親族)
遺言執行者は、未成年者と破産者以外であれば、誰でもOKです。
特に制限はありません。
そのため、親族の方(相続人の方)を遺言執行者に選任することができます。
実際に相続人である人物が遺言執行者となる事例も多いです。
遺言執行者になる人物(専門家)
ただ、遺言執行者は専門的な知識を必要とし、手続きも複雑であることが多いです。
また、相続に関して利害関係を持つ相続人などが遺言執行者に選任されると、相続人の間でトラブルの種になる可能性もあります。
そのため、弁護士・司法書士・行政書士等の専門家が遺言執行者に選任されることも事例として多いです。
遺言執行者の選任方法
遺言執行者は
・遺言書の中で遺言執行者を選任する
(遺言執行者を○○と指定する)
・遺言書の中で遺言執行者の選任を第三者に委任する
(遺言執行者は○○の指定した者とする)
・相続発生後、家庭裁判所で遺言執行者を選任してもらう
上記3つのうち、いずれかの方法で選ばれます。
遺言書の中で指定するのが一番簡単(一般的)
遺言執行者の選任は、遺言書の中で遺言執行者を選任することが一番簡単です。
(特にその他の手続きを要しないため)
そのため、遺言書を作成する際に、遺言執行者を選任しておくと良いでしょう。
例:遺言書作成を依頼した司法書士などを遺言執行者に選任
(「遺言執行者は司法書士Aと指定する」という文言を遺言書に書く)
遺言執行者を指定する際の注意点
なお、相続人などの親族を遺言執行者に選任する場合の注意点があります。
それは、遺言執行者の選任を辞退されてしまう可能性があるということです。
遺言執行者に選任された人は、引き受けるかどうかは本人の自由です。
断るのにも特別な理由は必要ありません。
そのため、遺言書で遺言執行者を選任していても、選任を辞退されてしまうと家庭裁判所で遺言執行者の選任手続きが必要となってしまい大変煩雑です。
そのため、遺言執行者に選任した方には、遺言書作成の際に事前に遺言執行者選任の承諾を取っておくことが良いでしょう。
遺言執行者は必須なのか?
ここまで遺言執行者に関する解説をしてきました。
なお、遺言書に従って相続を進めていくにあたり遺言執行者は必ずも必要ではありません。
(例外的に遺言執行者の選任が必須の手続きがありますが・・・)
ほとんどの手続きでは、遺言執行者なしでも手続き進行可能となります。
そのため、遺言書に遺言執行者に関する記載がなかったとしても、無理に遺言執行者を選任する必要はありません。
この場合は、相続人全員で相続手続きを進めていくことになります。
まとめ
ここまで遺言執行者についての解説いたしました。
本ページの内容を参考にしていただき、今後の遺言執行にお役立てください。
・遺言の内容を執行する人=遺言執行者という
・遺言執行者は遺言の中で指定することが一般的
・遺言執行者の記載が無い場合、無理に遺言執行者の選任は不要