遺産分割協議書(換価分割)の書式、ひな形、書き方

相続が発生した場合、相続人全員での遺産分割協議が必要になります。(遺言書がある場合を除く)

遺産分割の方法は主に「現物分割・代償分割・換価分割」の3パターンがあります。

ほとんどのケースでは「現物分割」が採用されるのですが、場合によっては「換価分割」の方法がとられます。

遺産分割協議において換価分割を利用するとき

換価分割とは、遺産を売却し現金化したのち現金を相続人へ分配するという遺産分割方法です。

・遺産が家のみ(自動車のみ)
・使わない不動産(空き家)がある

といったケースに遺産分割協議で換価分割の方法がとられます。

使わない不動産を相続すると「固定資産税等の税金支払い・管理」が相続人の負担になってしまうことが考えられます。
このような問題を解消するため、換価分割は有効な方法なのです。

以下、遺産分割協議書(換価分割)の書式・雛形を紹介いたします。

遺産分割協議書(換価分割)の書式・ひな形

遺産分割協議書

1.被相続人練馬正夫(令和○○年○月○日死亡)の後記相続財産について、練馬久子、板橋裕子及び池袋由佳は相続人たる地位に基づいて遺産分割協議を行い、次のとおり決定した。

なお、本遺産分割協議の前提として、被相続人及び相続人を下記のとおり表示し、下記の被相続人の表示に相違はないこと、並びに相続人が本遺産分割協議書に記載された相続人以外に存在しない旨を相続人全員が確認した。

2.被相続人の表示
被相続人 練馬 正夫
本籍 東京都練馬区石神井町○○番地
最後の住所地 東京都練馬区練馬○丁目○番○号
生年月日 昭和○○年○月○日
相続開始日 令和○○年○月○日

3.相続人の表示
・東京都練馬区練馬○丁目○番○号 練馬 久子
・東京都板橋区板橋○丁目○番○号 板橋 裕子
・東京都豊島区池袋○丁目○番○号 池袋 由佳

第1条 共同相続人全員は、下記不動産を売却換価し、売却代金から売却に伴う不動産仲介手数料、契約書作成費用、登記費用及び譲渡所得税を控除した金額を練馬久子3分の1、板橋裕子3分の1、池袋由佳3分の1の割合で分配するものとする。

なお、売却は練馬久子が担当し、被相続人名義の下記不動産は一時的に練馬久子の単独名義とする。

不動産の表示
所在 練馬区練馬○丁目
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 ○○.○○㎡

所在 練馬区練馬○丁目 ○番地○
家屋番号 ○番○
種類 居宅
構造 木造スレート葺2階建
床面積 1階 ○○.○○㎡ 2階 ○○.○○㎡

以上のとおり遺産分割協議が成立したので、これを証するため本書を作成し、署名押印の上、所持する。

令和○○年○月○日

東京都練馬区練馬○丁目○番○号 練馬 久子 (実印)

東京都板橋区板橋○丁目○番○号 板橋 裕子 (実印)

東京都豊島区池袋○丁目○番○号 池袋 由佳 (実印)

以上が換価分割の遺産分割協議書の書式・雛形です。

一字一句同じにする必要はありませんが、上記のようなイメージで書類を作成してみてください。

ここから先は、換価分割ケースにおける書類作成時の注意点について解説します。

遺産分割協議書(換価分割)の作成方法

・通常の遺産分割→相続人が財産を取得
・換価分割による遺産分割→売却して代金を分割

このように換価分割は通常の遺産分割とは内容が大きく異なります。
したがって、換価分割の方法をとる場合には遺産分割協議書の記載内容も大きく変わります。

上記の書式・ひな形の例の中で

第1条 共同相続人全員は、下記不動産を売却換価し、売却代金から売却に伴う不動産仲介手数料、契約書作成費用、登記費用及び譲渡所得税を控除した金額を練馬久子3分の1、板橋裕子3分の1、池袋由佳3分の1の割合で分配するものとする。

という箇所が換価分割特有の文言・書き方です。

上記のように「売却代金から必要経費を差し引いた残金を分割する」という内容を盛り込んでください。

いったん相続人名義にしてから売却という流れになる!

なお、不動産を売却する際には、登記名義を「故人→買主」と直接移転させることはできません。

いったん相続登記をして「故人→相続人→買主」と不動産名義を変更していきます。

不動産は相続人のうちひとりの単独名義とすることが良い!

不動産名義を「故人→相続人」と移転させる際は、もちろん共同相続人全員の名義にすることが可能です。
しかし、そのようにするケースは稀でしょう。

それは、名義人が増えてしまうと不動産売却にかかる手間が増えるからです。
そのため、便宜相続人のうちの一人の単独名義にすることが一般的です。

ただ、これはあくまでも「一時的な措置」です。

ですので、特定の相続人がいったん不動産名義全てを取得するのは「換価分割のため」ということを記載する必要があります。

それが、上記のひな形の

なお、売却は練馬久子が担当し、被相続人名義の下記不動産は一時的に練馬久子の単独名義とする。

という記載です。

換価分割の遺産分割協議書を作成する際は、この一文も覚えておくと便利です。

まとめ

ここまで「換価分割による遺産分割協議書の書式・ひな形」を紹介してきました。
ご自身で、遺産分割協議書(換価分割)を作成される際にお役立てください。

・換価分割は遺産を売却して現金を相続人に分配する方法
・換価分割特有の文言を遺産分割協議書に入れる必要あり
・便宜、相続人の1人名義とすることも可能


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