遺贈登記の登録免許税について
遺贈の対象に不動産が含まれている場合、遺贈登記が必要です。
遺贈登記など各種登記申請をする場合には、法務局に対して「登録免許税」という税金の支払いが必要になります。
実は、登録免許税の税率は、登記申請の内容によって異なるのですが、遺贈登記の登録免許税はどうなっているのでしょうか?
このページでは遺贈登記の登録免許税について解説いたします。
遺贈登記と相続登記は登録免許税の金額が違う
遺産相続の場面で必要な登記は、主に
1.遺贈登記
2.相続登記
の2つに分かれます。
遺言書による贈与(遺贈)の場合には遺贈登記。それ以外の場合は相続登記を申請することになります。
実は、この2つの登記は似ているのですが全く違う制度です。
申請方法も異なります。
そのため、当然ですが登録免許税の金額も変わってくるのです。
同じ不動産であっても「遺贈登記、相続登記」の違いによって登録免許税の金額が変わるということです。
遺贈登記の登録免許税は不動産評価額の2%
遺贈登記、相続登記も登録免許税計算の際に利用する基準価額は同じです。
固定資産評価証明書に記載されている不動産評価額を使用します。
遺贈登記の登録免許税は
不動産評価額×0.02の金額です。
不動産評価額の2%相当額ということになります。
相続登記の登録免許税は不動産評価額の0.4%
相続登記の登録免許税は
不動産評価額×0.004の金額です。
不動産評価額の0.4%相当額になります。
遺贈登記は相続登記の5倍の登録免許税に!
ここまで遺贈登記と比較対象として相続登記の登録免許税について説明いたしました。
説明したとおり、遺贈登記と相続登記では登録免許税の税額が大きく変わります。
遺贈登記:不動産評価額の2%
相続登記:不動産評価額の0.4%
このように遺贈登記の方が登録免許税が高くなり、遺贈登記は相続登記の5倍の登録免許税となるのです。
【登録免許税の具体例】
3000万円の不動産のケース
遺贈登記の場合:登録免許税60万円
相続登記の場合:登録免許税12万円
相続人に対する遺贈登記では、税率が下がる!
先ほど遺贈登記の際の登録免許税について説明いたしました。
「不動産評価額×0.02」の金額が遺贈登記の登録免許税です。(原則)
ただ、これには例外規定があります。
それは、相続人に対して遺贈登記を行う場合です。
【相続人に対する遺贈の具体例】
Aさんが死亡
相続人は、長男B、次男C、長女Dの3人
「○不動産を次男Cに遺贈する」という遺言書が発見される。
上記のようなケースが「相続人に対する遺贈」となります。
相続人への遺贈登記では、登録免許税の金額(税率)が大きく引き下げられます。
「不動産評価額×0.004」が遺贈登記の登録免許税となるのです。
・一般的な遺贈ケース:不動産価格×0.02
・相続人に対する遺贈:不動産価格×0.004
相続人に対する遺贈登記では登録免許税の金額は相続登記の場合と同額になるのです。
相続人に対する遺贈登記は、相続登記と実質変わらないので同じように扱うということになっています。
まとめ
ここまで「遺贈登記の登録免許税」について解説いたしました。
通常の遺贈登記の税率は不動産価格の2%、相続人に対する遺贈では0.4%ということを覚えていただき今後の遺産相続手続にお役立てください。
・遺贈登記と相続登記は登録免許税の金額が異なる
・遺贈登記の登録免許税=評価額×0.02
・相続人に対する遺贈=評価額×0.004