住民票の代理取得を司法書士に依頼できるか?
相続手続きを進める際に「住民票」が必要になるケースがあります。
平日に役所に行ける方は良いのですが、中には
・平日役所にいけない
・面倒な書類取得などをお願いしたい
という方もいらっしゃいます。
では、住民票の取得を司法書士に依頼することは可能なのでしょうか?
このページでは「住民票取得を司法書士にお願いできるか」について解説いたします。
相続登記には住民票が必要!
故人所有の不動産がある場合は相続登記が必要です。
相続登記とは、不動産名義を「故人→相続人」とする名義変更の手続きのことを指します。
相続登記の必要書類として
・故人の住民票除票
・不動産承継者の住民票
が挙げられます。
相続人の中で「不動産所有者となる方」のみ住民票が必要となります。
「不動産を相続しない方」については住民票は不要です。
住民票は住所地の役所に請求!
住民票は「住所を置いている市区町村」にて発行される書類です。
住民票の請求先は、
・故人の住民票除票
→故人の最後の住所地の役所
・不動産承継者の住民票
→当該人物の住所地の役所
となります。
結論:司法書士に住民票取得を依頼可能!
さて、このページの本題です。
結論から申し上げますと、司法書士に住民票取得を依頼することは可能です。
司法書士は職権で住民票を取得可能!
司法書士などの専門職は「職権」による公的書類の取得が認められています。
そのため、業務に必要な範囲で依頼者様の住民票を取得することが可能です。(職務上請求)
なお、こちらについては「委任状」すら必要ではありません。
口頭でお願いすれば、各種住民票を代理取得してもらえます。
戸籍などにも対応
なお、住民票のほかにも
・戸籍謄本
・評価証明書
など、ほかの書類についても代理取得をお願いできます。
唯一の例外は「印鑑証明書」です。
印鑑証明書だけは、皆様にて取得をお願いしております。
(専門職でも代理取得できない)
費用の相場観
なお、住民票取得を代理取得してもらう場合には司法書士費用が発生します。
こちらは、住民票1通取得につき「1000円~2000円」が報酬相場と言えるでしょう。
また、この他に「役所に支払う住民票発行手数料」も後々精算が必要になります。
専門家による住民票取得には厳しいルールがあるので安心!
ここまで「司法書士に住民票の代理取得をお願いできる」という説明をいたしました。
ただ、中には「委任状なく公的書類(個人情報)を取得できるなんて心配」という方もいらっしゃるかと思います。
そのような方向けに「公的書類を取得する際の専門職に課せられているルール(安心材料)」を説明いたします。
委任されていない範囲では取得してはいけない
そもそも依頼者から委任されていない場合には、住民票などを取得することはできません。
依頼者さまからの委任状は不要なのですが、委任行為自体は必要ということです。
業務に必要な範囲内で取得できる
住民票など公的書類を取得できるのは「業務に必要な範囲」に限られます。
無制限に取得できるわけではありません。
相続登記の業務であれば
・故人の住民票除票
・不動産承継者の住民票
の範囲で取得可能となります。(一部例外もありますが)
違反している場合にはペナルティが課せられている
上記にて
・委任がない場合には取得できない
・業務に必要な範囲を超えて取得できない
と説明いたしました。
これらに違反した場合は「不正取得」となります。
この場合には罰せられ「資格停止・資格はく奪」などの処分が下される仕組みとなっています。
まとめ
ここまで「住民票の代理取得を司法書士に依頼できるか」について解説いたしました。
専門職は職権で代理取得できる旨を覚えていただき、今後の遺産相続にお役立てください。
・相続手続きで住民票が必要になることがある
・司法書士など専門職に代理取得を依頼可能