故人の実印(印鑑)は処分しても大丈夫?
故人の遺品のうち、
・処分しても良いもの
・処分してはいけないもの
があります。
ご家族の方で「故人の所有物」の処分に頭を悩ませる方も多いと思います。
故人の「実印」はどのように扱えばよいのでしょうか?
実印の効力はどうなっているのでしょうか?
このページでは「故人の実印(印鑑)を処分してもよいのか」について解説いたします。
実印=住所地の市区町村に登録されている
まず、実印制度について簡単に説明いたします。
存命の方が実印を作るとき、印鑑を作成しただけではそれは実印とはいえません。「実印登録」が必要となります。
実印登録は「住所地の市区町村」に対して行うものです。
実印登録がされると「印鑑証明書」を取得できるようになります。
それでは、実印登録ある方が死亡した場合はどのようになるのでしょうか?
死亡=実印登録が抹消される
実印登録ある方が死亡したときは、その方の実印登録は抹消されます。
死亡届の提出により
・住民登録の抹消
・実印登録の抹消
が行われるのです。
実印としての効力はなくなる
実印登録が抹消されたことにより、当該印鑑は「実印」としての効力を失います。
結果として、ただの「認印」になるということです。
相続手続きで故人の実印は必要になるのか?
上記で「死亡により実印としての効力がなくなる」という説明をいたしました。
では、相続手続きをする際に「故人の実印」は必要ないのでしょうか?
相続手続きが終わるまで保管が必要なのでしょうか?
「故人の印鑑」は相続手続きには使用しない
結論から申し上げますと、相続手続きで故人の実印を使用する機会は一切ありません。
そのため、
・故人の実印が見当たらない
・処分してしまった
という場合でも大丈夫です。
相続手続:相続人の実印を使用する
実際の相続手続きでは「相続人となる方」の実印が必要となります。
預貯金の払い戻しなどの代表的な相続手続きでは、
・相続人全員の実印
・印鑑証明書の提出
が必要となります。
繰り返しになりますが、「亡くなった方の印鑑を使う機会はない」ということを覚えておいてください。
故人の実印の管理方法
ここまで
・死亡により実印の効力がなくなる
・相続手続きで故人の実印は使用しない
という説明をいたしました。
それでは、故人の実印はどのように管理すればよいのでしょうか?
結論:保管しても処分してもOK!
結論を申し上げますと、どのように扱っていただいても構いません。
(既に実印としての効力はないので)
一般的には、
・故人の思い出の品として保管しておく
・家族(親族)の方が彫り直して自分の判子とする
・処分する
のいずれかの方法を選ぶ方が多いです。
参考までに(要注意):預金通帳などは保管しておいてください
上記で「故人の実印は処分しても構わない」と解説いたしました。
念のため、捨ててはいけない故人の資料についてお伝えいたします。
代表的なものとして、
・通帳(キャッシュカード)
・不動産の権利証
・ほか財産に関する資料
などは廃棄せずに保管しておいてください。
というのも、これらは相続手続きに使用するためです。
まとめ
ここまで「故人の実印の正しい管理方法」について解説いたしました。
実印については「保管・処分どちらでもOK」と覚えていただき、今後の手続きにお役立てください。
・死亡により実印登録は抹消される
・実印登録抹消=実印の効力なくなる
・相続手続きで「故人の実印」は使用することはない
・したがって、「保管・再利用・処分」いずれでも構わない