戸籍・住民票代理取得用委任状の書式、ひな形
相続手続きを進める際は、必ずと言っていいほど戸籍謄本が必要です。
それは、戸籍謄本によって家族関係(相続関係)を証明するためです。
いくら口頭で「自分が相続人である旨」を伝えたところで、
・戸籍謄本を用意してください
・ご自身が相続人である旨証明する戸籍がないので手続できません
となってしまいます。
戸籍謄本・住民票の取得に委任状が必要になるとき
ただ、平日に役所に行くことが難しいという方は大勢いらっしゃいます。また、本籍地の役所が遠方で簡単に戸籍を取得できないという事情もございます。
そのため、兄弟等の親族に戸籍謄本・住民票の代理取得を委任することは珍しいことではありません。
委任状なしで取得できる戸籍謄本の範囲
自分自身の戸籍謄本に関しては当然に委任状なしで取得可能です。
そのほかにも、一定の範囲であれば「委任状なしで取得できる戸籍謄本」があります。
個人が取得することが出来る戸籍謄本・住民票の範囲は「本人・配偶者・直系血族(親、子)」に限定されています。
(この範囲であれば委任状なしで戸籍・住民票を取得できます。)
反対に、
・兄弟姉妹の戸籍謄本
・叔父、叔母の戸籍謄本
・甥、姪の戸籍謄本
これらの戸籍謄本・住民票を取得を委任する場合には戸籍(住民票)代理取得用委任状が必要となります。
以下、戸籍謄本・住民票取得用委任状の書式・雛形を紹介いたします。
戸籍謄本・住民票の代理取得に関する委任状の書式を紹介します
相続人のうちの一人(兄弟姉妹)に戸籍謄本・住民票の委任状をだす場合
委任状
東京都練馬区練馬○丁目○番○号
練馬 恭子
(↑取得を委任する兄弟姉妹の情報↑)
私は、上記の者を代理人と定め、下記の権限を委任する。
1.被相続人豊島一郎の銀行口座の預貯金解約のため、戸籍・原戸籍・除籍の謄本、戸籍の附票及び住民票の請求並びに受領に関する一切の権限
但し、
筆頭者 豊島純一
本籍地 東京都豊島区池袋○番地
但し、
世帯主 豊島純一
住所 東京都豊島区池袋○丁目○番○号
平成○○年○月○日
委任者
東京都豊島区池袋○丁目○番○号 豊島純一(認印)
以上が戸籍謄本・住民票の代理取得用委任状の書式・雛形です。
以下、書類の作成方法について解説いたします。
戸籍謄本・住民票取得用委任状の作成方法
書類作成にあたって3つのポイントを解説いたします。
1.委任事項について
「何の件で何を委任するのか(委任事項)」を正確に記載しておきましょう。
上記ひな形でいうところの
被相続人豊島一郎の銀行口座の預貯金解約のため、戸籍・原戸籍・除籍の謄本、戸籍の附票及び住民票の請求並びに受領に関する一切の権限
の部分です。(どうぞ、この文章をそのままご使用ください。)
2.取得する戸籍謄本・住民票を特定する情報
戸籍謄本を取得する場合は
・本籍地
・筆頭者
住民票の取得では
・住所
・世帯主
の情報が必要です。
これらの情報により「戸籍・住民票」が特定されるのです。
そのため、委任状には
・筆頭者及び本籍地(→戸籍を取得するとき)
・世帯主及び住所(→住民票を取得するとき)
の情報を記入しておきましょう。
3.委任状は認印で問題ありません
委任状への押印は「認印」で構いません。
もちろん実印でもOKです。
なお、シャチハタは使用しない方が良いでしょう。
委任状をもらった後の戸籍・住民票の取り方
委任状をもらったら、実際に各役所に戸籍・住民票の請求をしましょう。
役所に出向き請求用紙を記入すれば、その場で戸籍・住民票を発行してもらえます。
遠方の場合には、郵送請求を利用しましょう。
「○○市 戸籍 郵送」とインターネットで検索すれば、郵送による請求方法が各自治体のHPに記載されています。請求用紙もHPから印刷できます。
まとめ
ここまで「戸籍・住民票取得用委任状の書式・ひな形」を解説いたしました。ご自身で委任状を作成される場合の参考書式としてお役立てください。
【最後に】
※司法書士等の専門職は、職権で戸籍謄本・住民票などを代理取得することが認められています。
平日に役所に行くことが難しい方・相続に関する書類集めを簡単に済ませたい方は専門家の力を借りることも選択肢のひとつです。