公課証明書でも相続登記は可能か?
相続登記をする際には「不動産評価額を証明する書類」が必要です。
代表的なものとして「固定資産評価証明書」という書類があります。
通常、登記申請の際には「評価証明書」を使用します。
公課証明書という書類もある
評価証明書と似た書類として「公課証明書」という書類があります。
このページをご覧の方の中には「公課証明書を取ってしまった」と慌てている方もいらっしゃると思います。
この場合、再度評価証明書を取り直す必要があるのでしょうか?
公課証明書でも相続登記の申請をすることは可能なのでしょうか?
このページでは「公課証明書でも相続登記が可能か」について解説いたします。
そもそも公課証明書とは?
まず、公課証明書という書類について解説いたします。
公課証明書は、文字通り「公課」を証明するための書類です。
公課とは「税額」のことを意味しています。
評価証明書+αの情報が記載されている
公課証明書・評価証明書は大変よく似ている書類です。
記載内容も非常に近いです。
相違点としては「公課証明書の方が情報量が多い」ということです。
評価証明書の記載内容
評価証明書は「不動産評価額」を証明するための書類です。
・不動産の現況
・所有者の住所氏名等
・評価額
などの情報が記載されています。
公課証明書の記載内容
公課証明書は、評価証明書の内容に加えて
・課税標準額
・固定資産税相当額
・都市計画税相当額
が記載されています。(税額を証明する用途のため)
このように「評価証明書+α」の情報が載っているのが公課証明書です。
結論:公課証明書でも相続登記OK!
さて、このページの本題です。
結論から申し上げますと「公課証明書でも相続登記可能」です。
(評価証明書を再度取得する必要はありませんのでご安心ください。)
そもそも、なぜ登記に「評価証明書(公課証明書)」が必要なのか理由を考えてみましょう。
登録免許税額の計算のため
なぜ登記申請に評価(公課)証明書が求められているのでしょうか?
それは「登録免許税の計算のため」です。
相続登記をする際には、登録免許税という税金を法務局に納付します。
この金額は「不動産評価額」に応じて決定されるものです。
具体的には、
不動産評価額×0.004
の金額が登録免許税の金額となります。
税額計算の基準となる「評価額」を明らかにするために、評価(公課)証明を提出するのです。
登記の際に必要な情報=不動産評価額の証明
相続登記の際に必要とされるのは「不動産評価額」に関する情報です。
ざっくり言うと、不動産評価額を証明してくれる書類であれば評価証明だろうが公課証明だろうが大した問題ではないのです。
先ほど、公課証明書は「評価証明書+αの情報が載っている」と説明いたしました。もちろん「不動産評価額」についても記載されています。
そのため、公課証明書でも相続登記(ほか不動産登記)に使用できるのです。
例外に要注意:評価額記載のない公課証明書もある
ここまで説明したとおり、基本的には公課証明書を使って登記申請をすることは可能です。
ただ、評価額が公課証明書に記載されていない市区町村が一部存在します。(私も、これまで何度か見たことがあります。)
いくら公課証明書であっても肝心の「不動産評価額」が載っていないものは登記に使用できませんのでご注意ください。
まとめ
ここまで「公課証明書でも相続登記に使用できるのか」について解説いたしました。
公課証明書でも不動産登記に使えるということを覚えていただき、今後の相続登記にお役立てください。
・公課証明書という書類がある
・評価証明書の情報+「公課(税額)」を記載したもの
・不動産評価額が載っている=公課証明書も登記に使用可能