共有名義で相続登記するときの登録免許税の支払いは?
故人名義の不動産がある場合には相続登記が必要です。
相続登記の際には「登録免許税」という税金を法務局に納めます。
では、2人以上の共有名義に相続登記をする場合の支払いはどうなるのでしょうか?
このページでは「共有名義で相続登記する場合の登録免許税の支払い」について解説いたします。
相続登記は単独所有にしなくてもOK!
遺産相続が発生した場合、相続登記は必要な手続きです。
ただ、相続登記をどのように行うかはある程度の自由が認められています。
法定相続人が「1名のみ」という事例は少ないと思います。
相続人が複数人いる場合、全員名義(全員所有)で相続登記をしてもOKなのです。
事例
【基本事例】
・故人A
・相続人:長男B、二男C、長女Dの合計3人
という事例を想定してください。
この場合、「誰かひとりの名義にしてもOK」ですし「3人の共同名義」に相続登記してもOKです。
管理の面から「1名の名義にする」というケースが多いです。
ですが、必ずしも誰かの単独所有にしなければならないという規定はありません。
相続登記の際に納める税金:登録免許税
さて、相続登記を申請する際に法務局に納める税金があります。
「登録免許税」といわれる税金です。
単独名義に相続登記をする場合は、当然にその人物が登録免許税全額を支払います。
(ひとり名義になるので、特に問題は発生せず)
では、複数人で共有の登記をする場合の登録免許税の支払いはどうなっているのでしょうか?
誰か代表者がまとめて支払うのでしょうか?
登録免許税は登記申請時に支払う!
登録免許税は登記申請時に法務局に納めます。
では、どのように納めるのか?
様々は方法がありますが、代表的なのは「法務局で収入印紙を購入する」方法です。
法務局建物内には収入印紙売り場が設置されています。
(もちろん郵便局で収入印紙を買ってもOKです。)
1.「登録免許税相当額」の収入印紙を購入します。
↓
2.収入印紙を登記申請書に貼ります。
↓
3.登記申請書を窓口に提出します。
登録免許税は一括納付
上記説明のとおり、登録免許税は一括納付です。
また、法務局から各人に納付書が送られるわけではありません。(固定資産税のような取扱いではない)
したがって、複数人の共有名義で相続登記をする場合には、
1.代表者がまとめて登録免許税を支払う
↓
2.各人の間で精算(立替金の精算)を行う
または、
1.代表者が各共有者から集金する
↓
2.全額集まったところで法務局に出向き申請
という段取りが一般的です。
登録免許税はどのような割合で支払うべき??
では、複数人共有で相続登記をする場合、「登録免許税の負担割合」はどのように設定すればよいでしょうか?
一般的には「相続登記の割合」と同じ負担割合で登録免許税を負担するケースが多いです。
以下、簡単な具体例で説明します。
登録免許税の負担割合例
【基本事例】
・故人A
・相続人B、C、Dの合計3人
→「B:2分の1」「C:4分の1」「D:4分の1」で共有で相続登記を行う
という事例を想定してください。
この場合、大半の事例では「取得する持分割合」と同じ割合の登録免許税を各人が負担します。
(「B:2分の1」「C:4分の1」「D:4分の1」)
誰かがまとめて支払っても問題ない?
では、共有者の誰か1人がまとめて支払う旨の合意をしても問題ないのでしょうか?
はい、そのような合意も有効です。
当事者間で確かに合意がされていれば全く問題ありません。
この場合、登録免許税を支払っていない人物は適法に所有権を取得するのでしょうか?
はい、適法に所有権を取得します。
まとめ
ここまで「共有で相続登記する場合の登録免許税の支払い」について解説いたしました。
登記申請時に一括納付と覚えていただき、今後の相続登記にお役立てください。
・複数人の共有名義の相続登記ができる
・登録免許税は登記申請時に一括納付
・通常は各自が取得する持分割合に応じて登録免許税を負担する