第4回メール講座:遺産の分け方が決まったら、どんな書類を作ればいいの?
話し合いがまとまったら、そのままではマズイですよね??

今後のためにどういう書類が必要になりますか??
実印の押印・印鑑証明書の準備が必要でしょうか??
相続の話し合いがまとまったら、書類を作成する必要がございます。
きちんと書類を作成しておかないと、「その後の手続きを進められない・・」
その結果、「余分に時間が掛かってしまう・・」という状況になってしまいます。
そうならないためにも、「作成すべき書類」について理解しておきましょう。
このページでは、「作成すべき相続書類」について司法書士が解説いたします。
必ず作成すべき書類:遺産分割協議書
話し合いがまとまったら必ず作成すべき書類、それは「遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)」です。
遺産についてどのように分けるかの話し合いのことを「遺産分割協議」といいます。
遺産分割協議のことをまとめた書類が遺産分割協議書です。
堅苦しい名称ですが、何も難しい書類ではありません。
遺産分割協議書の作り方
遺産分割協議書には「決まった形式があるわけではありません!」形式は自由です。
しかし、盛り込まなければいけない事項があります。これが漏れてしまうとせっかく作成したのに「やり直し」なんてことになってしまいます。
【遺産分割協議書に必要な情報1:故人の情報】
故人様の名前、住所、本籍地、生年月日、死亡日を私は遺産分割協議書に盛り込んでいます。
【遺産分割協議書に必要な情報2:相続人全員の氏名】
次に相続人全員の住所、氏名を盛り込みます。
【遺産分割協議書に必要な情報3:財産の表示】
故人様名義の財産を「正確に」書かなければ、無意味な書類になってしまいます。
不動産→登記簿謄本どおり正確に!(登記簿謄本は最寄りの法務局で取得可能)
預金→銀行名、支店名、口座番号を私は盛り込んでいます。
株式→保有株式(会社名)と数量(○○株)を私は盛り込んでいます。
【遺産分割協議書に必要な情報4:誰が何をどう分けるのか】
相続手続きの多くは書面での申請です。
そのため、「誰が・何を・どういう割合で」分けるのか明確に書いて下さい。
【遺産分割協議書に必要な情報5:相続人全員の署名押印】
最後に相続人全員の署名と実印での押印が必要になります。
相続人全員が複数人いるときは、用紙を別々にしてもいい!
当事者全員が近所に住んでいるとは限らないと思います。
そのような時は、遺産分割協議書を何枚かに分けて作成すると便利でしょう。
「例:Aさんが都内在住・Bさんが関西在住・Cさんが東北在住」
少し大げさな例ですが、この場合1枚の用紙に全員分をまとめると「それぞれ郵送が必要となり、時間が掛かってしまいます。」
用紙を分けて、それぞれに郵送しておけばスムーズに書類作成が進むと思います。
不動産があるときは、相続登記の書類も必要!
不動産の名義変更のことを相続登記(そうぞくとうき)と呼びます。
相続登記では、特別な書類が必要になってきますのでここで紹介しようと思います。
【不動産の名義変更に必要な書類1:相続登記申請書】
相続登記は法務局という役所に対して申請する手続きです。
法務省のHPに載っているひな形のリンク先を紹介しておきます。
http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI79/minji79.html
【不動産の名義変更に必要な書類2:相続関係説明図】
相続登記(不動産名義変更)の際には、相続関係説明図という書類も必要です。
相続関係説明図とは、「家系図」のようなものです。
「家系図+誰が不動産を相続するのか記載した書類」というイメージを持っていただければと思います。
書類作成はお早めに
話し合いがまとまったら「なるべく早く」書類を作成することを推奨しています。
一旦まとまった話も、「時間が経つと、違うことを言い出す人」が出てくるということは昔からよく聞く話です。
また、早めに書類作成・手続きを終えることで皆様の心もスッキリ晴れると思います。
相続のときに作成すべき書類:まとめ
最後までお読みいただき本当にありがとうございます。
少し長くなってしまいましたので、最後にまとめます
作成すべき書類
1.遺産分割協議書
→話し合いの結果をまとめた書類
不動産があるときの追加書類
1.相続登記の申請書
2.相続関係説明図(家系図+誰が相続するか書いたもの)
書類作成すべき時期
なるべく早めがいい(別に急かしているわけではありません・・・皆様のペースでどうぞ。)
この記事を執筆した人 司法書士 椎名 秀樹(しいな ひでき) 東京司法書士会6856号
平成元年 千葉県匝瑳市生まれ
(九十九里の海沿いの街です)
平成20年 千葉県立成東高校卒業
(小学校~高校まで野球部に在籍)
平成24年 法政大学経済学部卒業
平成24年 司法書士試験合格
平成24年 都内司法書士法人に入社
平成27年 独立のため退社(3年間修業)
平成27年 日本みらいと司法書士事務所開設
趣味:読書(日本の小説が多いです。)
好きな作家:森見登美彦、三浦しをん、太宰治
「困っている人を助けること」・「人を笑顔にすること」ができる司法書士という資格に魅力を感じ、4年半という長い受験期間を経て司法書士になりました。
皆様の不安を安心に変えることができる司法書士という仕事に強い誇りを感じています。
地域に根差した親しみやすい司法書士となれるよう努力していきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
・次回の予告:次回は「相続手続きに必要な書類とは??その種類と取得方法について」をお送りします。