未登記建物の名義変更の申請先は?
故人の遺産に不動産が含まれる事例は大変多いです。
不動産については「故人→相続人」への名義変更が必要になります。
建物の中で登記されていない建物があります。
これを「未登記建物」といいます。
未登記建物の名義変更の申請先はどの役所なのでしょうか?
このページでは「未登記建物の名義変更申請先」について解説いたします。
不動産は登記簿によって管理されていることが一般的
不動産は基本的には「不動産登記簿」という帳簿によって管理されています。これは法務局にて管理しているものです。
「登記されている土地・建物」に関しては、法務局に名義変更の申請を行います。この申請手続きのことを相続登記といいます。
建物については未登記の場合もある
土地に関しては「未登記」という状況はありえません。
しかし、建物に関しては「未登記」という状況があり得るのです。
・古い物置・納屋
・住宅ローンを組まずに建築した建物
等については未登記建物ということが珍しくありません。
未登記建物に関しては「不動産登記簿」がありません。
したがって、法務局に相続登記することはできないのです。
未登記建物は不動産所在地の市区町村に名義変更の申請を
このページの本題です。
未登記建物の名義変更の申請先について解説いたします。
未登記建物の名義変更の申請先は「不動産所在地の市区町村」です。
具体的には
・川口市にある未登記建物→川口市役所に申請
という取扱いになります。
故人の住所地ではなく、不動産所在地の役所
申請先となる役所は故人の住所地ではなく「不動産がある市区町村」になります。
・故人の住所:東京都北区
・未登記建物があるところ:埼玉県川口市
↓
未登記建物の名義変更申請先は「埼玉県川口市」となりますのでご注意ください。
各市区町村に名義変更届の提出
未登記建物に関しては、各市区町村に名義変更届を提出します。
「○○市 未登記建物 名義変更」とインターネットで検索してもらえれば各自治体の手続案内ページがヒットすると思います。
・未登記家屋の名義変更申請書
・戸籍謄本
・遺産分割協議書
・印鑑証明書
等を提出して未登記建物の名義変更手続きを行ってください。
(詳細は各市区町村にお問い合わせください。)
これを機会に「建物の登記をする」というのも一つの選択肢
上記で説明したのは「未登記建物を未登記のまま」相続する場合の方法です。
この他に「未登記建物→登記された建物とする」というのも方法もあります。
(ただ、建物を登記する場合にはいろいろと費用が掛かってきます。)
この機会に登記簿を作成する場合は「土地家屋調査士」に相談するとよいでしょう。
登記されている建物は相続登記のみでOK
登記されている建物についても少々解説いたします。
登記されている建物については「法務局に対する相続登記のみ」で大丈夫です。
・法務局への相続登記
・市区町村への名義変更申請
の両方を行う必要はありません。
相続登記をすると法務局から市に通知がされる
相続登記(法務局での名義変更)をすることで「法務局→市区町村」にその旨が通知されます。
そのため、登記されている建物に関して「市区町村への名義変更申請」は不要になのです。
まとめ
ここまで「未登記建物の名義変更の申請先」について解説いたしました。
未登記建物については各市区町村に申請するという事を覚えていただき、今後の相続手続きにお役立てください。
・未登記建物の名義変更は各市区町村へ
・不動産所在地の自治体へ申請する
・登記されている建物は「法務局への相続登記のみ」でOK