故人の配偶者が死亡している場合、亡夫・亡妻の戸籍謄本は必要か?

相続が発生した場合、相続人(遺産を引き継ぐ権利のある人)は法律により定められています。

現行の制度では、故人の配偶者は常に相続人となります。
したがって、相続手続きを進めていく際に相続人である配偶者の戸籍謄本は必須となります。

配偶者が既に死亡している場合も有り得る

相続対象者の手続きを進めていくにあたり「配偶者がすでに亡くなっている」という場合があります。

この場合、配偶者の戸籍謄本は必要となるのでしょうか??

このページでは「故人の配偶者死亡:亡夫・亡妻の戸籍謄本は必要なのか」について解説いたします。

相続発生の順番により必要な戸籍謄本の量が変わります!

現行の相続制度は複雑です。
必要となる戸籍謄本の種類・量は各事例に応じて全く異なります。

死亡の先後によって必要な戸籍謄本の種類が変わってくることをまず理解してください。

以下、

・被相続人より先に配偶者が死亡したケース
・被相続人より後に配偶者が死亡したケース

について具体例をもとに解説いたします。

被相続人の死亡日より前に配偶者が死亡している

まずはじめに「被相続人死亡に配偶者死亡」の事例について解説いたします。

【基本事例】
・被相続人:夫A(2018年死亡)
・家族構成
→(亡)妻B(2015年死亡)
→長男C

という事例を想定してください。

この場面で必要となる戸籍謄本について

この場合に準備すべき戸籍謄本は、

1.被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
2.相続人(長男)の現在の戸籍謄本

となります。

先に死亡している配偶者Bの戸籍謄本はいる?

さて、このページの本題です。
被相続人より先に死亡しているBの戸籍謄本は必要なのでしょうか?

結論から申し上げますと「Bの戸籍謄本は特別に準備する必要はない」となります。

被相続人より先に死亡している配偶者(Bさん)に関して必要となるのは「婚姻~死亡まで」の戸籍謄本となります。

ここで先ほど記載した表を確認してください。

「1.被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本」

こちらを取得すれば、この中に配偶者であるBさんの「婚姻~死亡まで」の記載があります。

よって、被相続人より先に死亡している配偶者については、特別に戸籍謄本を準備する必要はありません。

出生~婚姻までは不要なの??

出生~婚姻までの戸籍謄本について、今回は不要です。

「同時存在の原則」といって、相続開始時に生存していない人は相続権を取得しません。
よって、故人が亡くなったときに生存していないBは相続人とはならないからです。

被相続人の死亡日より後に配偶者が死亡している

次に「被相続人の死亡に配偶者が死亡した」事例について解説いたします。

【基本事例】
・被相続人:夫Dさん(2015年死亡)
・家族構成
→(亡)妻Eさん(2018年死亡)
→長女Fさん

という事例を想定してください。

この場合に必要な戸籍謄本

この場合に、まず必要となる戸籍謄本は、

1.被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
2.相続人(長女)の現在の戸籍謄本

となります。

亡配偶者(E)の戸籍謄本は必要か?

さて、このページの本題です。
亡配偶者のEさんの戸籍謄本は必要となるのでしょうか?

答えは「YES」です。

本ケースではEの出生~死亡まで全ての戸籍謄本が必要となります。

婚姻~死亡までではダメなの??

なぜ、出生から死亡までの戸籍謄本が必要なのでしょうか?
以下、その理由について説明いたします。

今回は死亡の順序が「1.故人Dの死亡→→2.配偶者Eの死亡」となっています。

Dの死亡時にEは存命です。
したがって、Dの遺産相続に関してEも相続する権利を持っていたということです。
そして、その後Eは亡くなりました。

今回は

・Dの遺産相続
・Eの遺産相続

の2つがあるということです。

その結果、今回の必要戸籍謄本は

1.被相続人(D)の出生から死亡までの戸籍謄本
2.配偶者Eの出生から死亡までの戸籍謄本
3.相続人(長女)の現在の戸籍謄本

となります。

まとめ

ここまで「配偶者が死亡している場合の戸籍謄本」について解説いたしました。
本ページ内容を参考にしていただき、今後の遺産相続にお役立てください。

・被相続人死亡の前に配偶者死亡している
→配偶者の戸籍は特段準備不要(婚姻~死亡まで)

・被相続人死亡の後に配偶者死亡している
→配偶者の戸籍謄本準備が必要となる(出生~死亡まで)


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