生前からできる相続手続きの準備

将来必ず発生する「相続手続き」に関して事前に準備を進める方が増えてきています。

相続の準備として「遺言書を書く・信託制度を利用する・土地にマンションを立てる・生命保険を活用する」など専門性の高いことがたくさんあります。ですが、それが全てではありません。
(そういった専門的なことはこのページでは解説しません。)

遺言書を書く
信託制度を利用する
土地にマンションを立てる
生命保険を相続対策に活用する

こういった専門的なものを利用される方は少数派です。

【では、何も出来ることはないのか?何もしなくていいのか?】
いいえ、そうではありません。

実際、「今すぐ自分で出来る・お金がかからない」といった相続手続きの準備も多くございます。

このページでは、将来相続手続きの際に困らない為に、今からできる簡単な相続手続きの準備について解説します。

生前からできる相続手続きの準備:自分が亡くなることを想定して

自分に万が一のことがあると、実際に各種相続手続きを行うのは「相続人」の皆さんです。

具体的には配偶者・お子様が手続きを主導されることが多いと思います。

将来自分の万が一のことがあったとき、「相続人」が困らないための方法を説明いたします。

不動産権利証・銀行通帳など資産に関する書類をまとめておく!

まず、相続手続きを進めるにあたって「相続財産の調査」を一番初めに行う必要があります。

相続財産について何も情報がない場合、遺産調査だけで残された相続人は一苦労です。

そうならないためにも、「自己の所有財産に関する書類をまとめておく、置き場所を伝えておく」ことがよいでしょう。

【可能であれば、金融機関を整理する】
現在多くの金融機関にて銀行口座を開設している場合、まとめておくと将来相続人の負担が大きく減ります。

銀行口座の相続手続きでは、相続人が各銀行窓口に出向き相続申請を行います。多くの金融機関の口座がある場合、どれか1~2つの銀行にまとめておくと相続人が楽になります。

生前からできる相続手続きの準備:自分が相続人になることを想定して

次に自分が遺産を受け取る側(相続人)になることを想定して準備できることについて解説いたします。

資産に関する書類をまとめてもらうようにお願いする!

これは先ほど「自分が被相続人になることを想定する場合」と重複するのですが、親が高齢になった場合にはこのようにお願いすることも必要でしょう。

事前に誰が相続人になるのかを確認しておく!

相続する権利を持つ人(相続人)は法律の規定により決まっています。

「遺産相続の場面では誰と話し合いをする必要があるのか」についてあらかじめ理解しておくことが大切です。

普段から親族と交流しておく・それとなく遺産相続の話をしておく

誰が推定相続人なのか判明したら、将来の遺産相続に向けて少しだけ前に進みましょう。

【具体的事例】
高齢の親A
親族構成:B(長女)、亡C(次女:既に死亡)、D(亡Cの子供)
推定相続人:BとD
現状:A名義の土地建物があり、そこにAとBが同居している。

このようなケースを想定してください。

この場合、Aに相続が発生するとB(長女)とD(孫)が話し合いをすることになります。

Bさんは「土地建物を相続したい!」と思うはずです。自分はそこに住んでいるわけですから。

しかし、相続の話が思い通りにいかない可能性もございます。

もしかするとDから「土地建物はあげる。けど半分に相当するお金をください」または「私も半分土地建物をもらいます」と言われてしまうかもしれません。Bさんからすると非常に困った問題です。

しかし、Dさんが悪者というわけではありません。法律上はD(孫)にも半分の権利があるのです。

「普段疎遠にしている・仲良くしていない」といった事情があると、遺産相続がこじれる・揉めるリスクが高くなります。

そのため、「なるべく普段から親族と交流する・(話せるようであれば)それとなく将来の遺産相続の話を切り出しておく」といったことが大切です。

【相続発生前に書類を作っても法律上の効力はない!】
上記事例で「覚書 DはAの遺産相続の際にはその権利を放棄する!」という書類をAさんが存命のうちに作成したとしましょう。

法律上、この書類に効力はありません。(将来「あのとき書類を書いてもらったよね」と切り出すことは出来ますが・・)

(バランス感覚が大切です)
生前から遺産相続の話を切り出すと、「遺産を独り占めしようとしている」等と考える方もいらっしゃいます。
生前から変に関係をこじらせてしまうのであれば、無理に話を切り出す必要はありません。

相手との関係性を考えながら慎重に判断してください。

まとめ

以上、ここまで「生前からできる簡単な相続手続きの準備」について紹介いたしました。

もちろんこれが全てということではありません。

「家族信託を利用したり、専門家関与のもと遺言書を作ったり」できることは沢山あります。

ただ、初めからお金をかけるのではなく「まず自分で出来ること・お金をかけずにできること」から始めてみてはいかがでしょうか。


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