相続分譲渡がされた時の相続登記の方法とは?

故人名義の不動産(土地・家)があるときには、相続登記(不動産名義変更)が必要になります。

なお、相続分譲渡があったときの相続登記には注意が必要です。
「どのような時期に・誰に相続分の譲渡がされたか」によって、登記手続きの手順が変わってきます。

このページでは、相続分の譲渡と相続登記(不動産の登記)について解説します。

前提知識:相続分の譲渡

まず「相続分の譲渡」という制度について簡単に説明いたします。

遺産分割協議前であれば、相続人は他人に自己の相続分を他人に譲渡することが可能です。
これを相続分の譲渡と呼びます。

なお、相続分の譲渡を受ける人は「相続人・相続人以外の他人」でも構いません。

相続分譲渡と登記

さて、このページの本題です。

「相続分譲渡と相続登記」については、

・相続人に対して譲渡がされた場合
・相続人以外に対して譲渡がされた場合

によって手続き方法が異なります。
以下、それぞれについて詳しく解説をいたします。

相続人に対して相続分譲渡がされた場合の登記

まずはじめに「相続人に対して譲渡がされたケース」について解説いたします。

なお、この場合にどのような登記をするべきかは

・まだ相続登記がされていない(故人名義のまま)
・既に相続登記がされている(相続人名義となっている)

の違いによって、更に手続き方法が異なります。
以下、具体例をもとに解説いたします。

具体例:まだ相続登記されていない(故人名義のまま)

【基本事例】
・故人A
・不動産はA名義のまま
・相続人B・C・D
・BがCに相続分の譲渡を行った

という事例を想定してください。

相続登記がまだされていないときは、登記名義人を直接「A→C・D」へと変更することが出来ます。
一旦Bの名義を入れる必要はありません。

具体例:既に相続登記がされている(相続人名義)

次に「既に相続登記がされている場合」について解説いたします。

【基本事例】
・故人A
・相続人:B・C・D
・不動産名義はB・C・Dとなっている(変更済み)
・BがCに相続分の譲渡を行った

という事例を想定してください。

時系列としては、

1.相続発生

2.相続登記の申請(B・C・D名義に変更)

3.BがCに相続分を譲渡

という流れです。

上記のように既に相続登記がされているときは、相続分譲渡によりBの登記名義をCに移転させます。

「B持分全部移転(登記原因:相続分の売買または相続分の贈与)」として登記申請を行います。

相続人に対して譲渡があったときは「既に相続登記がされているかどうか」によって手続き方法が異なることを覚えておいてください。

相続人以外に譲渡がされたときの登記

次に「相続人以外に対して譲渡がされて場合」について解説いたします。
(相続分の譲渡は相続人以外の第三者に対してでも譲渡可能)

【基本事例】
・故人A
・相続人B・C・D
・BがE(他人)に相続分の譲渡を行った

という事例を想定してください。

直接E(相続人以外)に名義変更はできない!

この場合、登記名義を直接「A→C・D・E」にすることは出来ません。

まず、相続登記を行います。(登記名義をB・C・Dにする)
その後、「B持分全部移転(登記原因:相続分の売買または相続分の贈与)」によりBの登記名義をEに移転させます。

相続人以外へ譲渡がされたときは、一度相続人への名義変更が必要ということを覚えておいてください。

まとめ

ここまで相続分譲渡と相続登記について解説いたしました。
「誰に譲渡されたのか・既に相続登記がされているのか」によって手続きが若干異なる旨を覚えていただき、今後の遺産相続にお役立てください。

・遺産分割前は相続分譲渡が可能
・相続人に対する譲渡がされたとき
→「既に相続登記がされているか」によって手続き方法が異なる
・相続人以外へ譲渡がされたとき
→いったん相続登記をする必要がある


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