スポンサーリンク

相続人が故人の連帯保証人:相続放棄は有効?

相続財産のうち資産より負債が多い場合には、相続放棄が有効です。
相続により借金を背負う事態を防ぐことができるからです。

事例としては稀ですが、相続人が故人の連帯保証人になっていることがあります。

この場合、相続放棄は有効なのでしょうか?
相続放棄するべきなのでしょうか?

このページは、相続人が故人の連帯保証人のときの相続放棄の有効性を解説します。

相続人が故人の連帯保証人になっているケース

相続人が故人の連帯保証人となっていることがあります。

・主債務者(故人)
・連帯保証人(相続人)

という関係です。

遺産相続により、主債務者の地位が承継される

相続発生により、故人の一切の権利義務が相続人に承継されます。
したがって、故人の借金は相続人に承継されるのです。

相続人は「主債務者・連帯保証人」の両方の地位を持つ

相続発生により、主債務者の地位が相続人に承継されます。
この結果、相続人は、

・主債務者(今回の遺産相続により承継された地位)
・連帯保証人(もともとの相続人自身の地位)

の2つの地位を併せ持つことになります。

このような場面では、相続放棄は有効なのでしょうか?

結論:相続放棄しても債務から逃れられない!

さて、このページの本題です。
結論から申し上げますと、

・故人の連帯保証人である相続人
・借金を支払う義務を負い続ける

という結果になります。

残念ながら、相続放棄をしたとしても借金から逃れることができないのです。

以下、相続人が連帯保証人のケースの法律関係を説明いたします。

お金を貸し借りする契約

まず、債権者(金融機関)が、借主(被相続人)にお金を貸す契約があります。
この契約のことを金銭消費貸借契約といいます。

本契約の当事者は

・債権者
・借主(故人)

となります。

連帯保証人になる契約

つぎに、債権者(金融機関)と連帯保証人(相続人)は、借主が支払うことが出来なくなった場合・支払いが滞った場合に代わりに私が支払いますという契約を締結します。
この契約は「連帯保証契約」といいます。

契約の当事者は

・債権者
・連帯保証人(相続人)

となります。

2つの契約は別々の契約です!

何が言いたいかというと、

・お金を借りる契約(金銭消費貸借契約)
・連帯保証すると契約(連帯保証契約)

は、全く別の契約ということになります。

借主の地位は相続放棄により免れる

借主(被相続人)が亡くなったケースでは借主の地位は相続人に引き継がれます。
原則として、相続放棄をすれば負債を相続することはありません。

連帯保証債務は依然として残る

しかし、今回は相続人が被相続人の連帯保証人となっています。

相続人は、

・借主の地位(相続により取得)
・連帯保証人の地位

の両方を持っているということになります。

相続放棄の対象となるのは、借主としての借金のみとなります。
(連帯保証債務については対象外:相続人自身の契約のため)

主債務者が支払い不能のとき連帯保証人は支払い義務あり

連帯保証人とは、

・主債務者が支払い不能のとき
・債権者に対して支払いをする

義務を持ちます。

連帯保証人の地位:支払い義務は継続する

この場合、相続放棄により借主の債務(主債務)の支払いを免れたとしても連帯保証人の地位で借金を支払う必要がございます。

つまり、借主の相続債務を放棄したとしても、自分の連帯保証債務は何ら変わりなく存在し続けるということです。

よって、相続人が被相続人の連帯保証人になっていたときは、相続放棄をしても結局借金を支払うこととなります。
(結果として、相続放棄はさほど有効ではない)

借金の額が大きく、到底支払えそうにない場合は自己破産・個人再生などの債務整理手続きをすることとなります。

まとめ

ここまで相続人が故人の連帯保証人のときの相続放棄の有効性について解説しました。
連帯保証人の地位がある限り支払い義務は残るということを覚えていただき、今後の遺産相続にお役立てください。

≪被相続人が第三者の連帯保証人になっている場合の相続放棄についての解説はこちら≫

・相続人が故人の連帯保証人のときがある
・相続人は「主債務者・連帯保証人」の両方の地位を併せ持つ
・結局は、相続放棄しても債務の支払いが必要
・自分自身の連帯保証人の地位により支払う必要があるため


・相続手続きフルサポートの内容&費用(日本みらいと司法書士事務所)

スポンサーリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ