相続登記の法務局提出書類はコピーで大丈夫?
故人名義の不動産がある場合には相続登記が必要です。
相続登記は不動産所在地を管轄する法務局に申請をします。
登記申請書の他に「戸籍謄本など」の添付書類一式がございます。
これら書類はコピーでも大丈夫なのでしょうか?
それとも、原本提出が必要になるのでしょうか?
このページでは「法務局提出書類はコピーでも大丈夫なのか」について解説いたします。
相続登記の際に法務局に提出する書類
相続登記申請にあたっては、事前に多くの書類を集める必要がございます。
具体的には、
・故人の出生~死亡までの戸籍謄本
・故人の住民票の除票
・相続人の戸籍謄本
・相続人の印鑑証明書
・相続人の住民票
・不動産の固定資産評価証明書
など、数多くの書類を関係役所に請求・取得する必要があります。
申請人自身にて作成する書類もある
上記にて列挙した書類は「役所にて取得する書類」です。
相続登記には、このほかに「相続人自身が作成する書類」もございます。
具体的には、
・遺産分割協議書
・相続関係説明図
・相続登記申請書
といった書類です。
これらの書類作成のためには、
・自身でインターネット・書籍で勉強していただく
・法務局のHPを参考に書類を作成する
・専門家(司法書士など)に依頼する
といった方法が考えられます。
法務局提出書類は「原本」です!
さて、このページの本題です。
相続登記の際には、上記にて列挙した書類一式を法務局窓口に提出いたします。
これは「コピー」でもOKなのでしょうか?
それとも原本が必要になるのでしょうか?
結論から申し上げますと、相続登記申請時には「原本の提出が必要」となります。
コピーのみ提出では「補正」となる
コピーのみの提出では、登記審査を通過する要件を満たしません。
必ず原本の提出が必要となります。
この場合、法務局の職員から申請人宛に「原本が付いていないので、原本も送ってください」という内容の電話がかかってきます。
「登記申請の補正」と呼ばれる手続きです。
「法務局に再度出向く・再度書類を郵送する」といった二度手間になりますので、最初から原本を提出するようにしてください。
原本還付という制度があります!
ここまで「法務局提出書類は原本が必要(コピーでは足りない)」と説明いたしました。
では、登記申請に使用した戸籍謄本等の書類一式は法務局に没収されてしまうのでしょうか?
手続完了後に申請人の手元に戻ってこないのでしょうか?
いいえ、そうではありません。
登記申請においては「原本還付」という制度があります。
以下、原本還付制度について簡単に説明いたします。
原本還付=手続完了後に書類原本を返却してくれる
「原本還付」とは、その名のとおり「書類原本を還付してくれる」制度です。
簡単に説明すると、登記手続完了後に書類原本の返却を受けられるというものです。
これにより、戸籍謄本等の書類を何通も取得しなくて済みます。(1通を使いまわせる。)
また、遺産分割協議書も1通のみ作成すればOKとなります。(1通を使いまわせる。)
いったん原本の提出は必要です!
原本還付の話をすると「法務局提出書類はコピーでもOK」と勘違いされる方がいらっしゃいます。
繰り返しになりますが、法務局提出書類は「原本」が必要です。
原本還付をする場合でも、いったん原本提出が必要であると忘れないでください。
原本還付は「申出」が必要です
なお、原本還付は当然行われるものではありません。
・原則=原本は返却されない
・例外=原本還付の申出があった場合のみ原本還付される
という取扱いになります。
原本還付を利用するには、登記申請時に原本還付処理を行う必要があります。
手続き詳細は以下にて解説しておりますので、ご参照ください。
まとめ
ここまで「法務局提出書類は必ず原本なのか」について解説しました。
上記内容を参考に、今後の相続登記にお役立てください。
・法務局提出書類は絶対原本(コピーは不可)
・原本還付という制度がある(手続終了後に原本返却される制度)
・原本還付を利用する場合でも、いったんは原本提出が必須!