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遺言執行者から相続登記を申請できるのか?

遺産相続の場面で、故人が遺言書を残しているケースがあります。
遺言書の対象に「不動産」が含まれている場合には、不動産相続登記が必要です。

なお、遺言書の中で「遺言執行者」が定められている場合もあります。
このような場面では、相続登記は誰が申請人となるのでしょうか。

不動産を相続する相続人?それとも遺言執行者?

このページでは「遺言執行者から相続登記を申請できるのか」について解説いたします。

遺言執行者とは?

遺言執行者とは「遺言の内容実現のために遺言執行をする人」とお考えください。

遺言執行者は

1.故人が遺言書の中で指定する
(例:遺言執行者をAと指定する)
2.遺言書の中で指定者を決定する
(例:遺言執行者はBが指定した人物とする)
3.家庭裁判所に遺言執行者選任を申し立てる

このようなかたちで遺言執行者が決まります。

遺言執行者は相続登記を申請できるのか?

先ほど、遺言執行者とは「遺言書の内容を執行する人」という解説をいたしました。

それでは、遺言書に

「不動産をAに相続させる。遺言執行者にBを指定する」

このような遺言書があったとき、遺言執行者は相続登記の申請ができるのでしょうか?

以下、具体的事例をもとに解説いたします。

相続人Aに不動産を相続させる遺言書がある事例

【基本事例】
故人X
相続人の構成:長男A、次男Bの2人
遺言書の内容
「自宅不動産はAに相続させる。遺言執行者をBに指定する」

上記のような事例を想定してください。

この場合、

不動産を相続する人=A
遺言執行者=B

となります。

遺言執行者Bは相続登記の申請人となれるのでしょうか?

答えは「No」です。

遺言執行者は相続登記の申請権限を持ちません。
この場合は、不動産を相続する人(Aさん)のみが相続登記の申請を行うことができます。

相続登記の場合には、遺言執行者を定めていた場合であっても遺言執行者の出番は無いということです。

相続人Bに不動産を相続させる遺言書がある事例

【基本事例:先ほどの場面とほぼ同じ】
故人X
相続人の構成:長男A、次男Bの2人
遺言書の内容
「自宅不動産はBに相続させる。遺言執行者をBに指定する」

先ほどは不動産を相続する人に「Aさん」が指定されていましたが、今回は「Bさん」です。

不動産を相続する人=B
遺言執行者=B

となります。

この場合の相続登記の申請人はもちろん「Bさん」です。
ただ、Bさんは「不動産を相続する人」として申請権限があるのであって、遺言執行者として申請人になるわけではありません。

あくまでも、「遺言執行者は相続登記の申請権限がない」ということをご理解ください。

【例外:清算型遺贈の場合の相続登記】
清算型遺贈という遺産相続の方法があります。
(とてもレアケースなので詳細説明は割愛します。)
この場合は、いったん相続人への「相続登記」が必要になります。

この相続登記に限っては「遺言執行者」から登記申請を行うことが可能です。(あくまでも例外ケースです。)

混乱注意!遺贈登記の場合は?

上記の例で「不動産を孫Cに遺贈する。遺言執行者をBに指定する」という遺言書がある場合を想定してください。
孫Cは法定相続人ではありません。

そのため、この場面は「相続登記」ではなく「遺贈登記」となります。

相続登記では「遺言執行者」は登記申請人とはなりません。
ですが、遺贈登記となれば結論は真逆になります。遺言執行者は登記義務者として申請人になります。

遺贈登記は

・権利承継者(孫C)
・遺言執行者(B)

の共同申請で行います。

なぜ遺言執行者から相続登記の申請ができないのか?

「甲不動産をAに相続させる。」

このような「相続させる」という内容の遺言書があった場合、指定された相続人は故人の死亡により直ちに不動産を承継すると考えられています。

そのため、不動産承継者である相続人が単独申請で相続登記を行うことができるのです。

相続人に単独申請が認められていますので、遺言執行者が代わりに相続登記を行うことは認められておりません。

まとめ

ここまで「遺言執行者は相続登記を申請できるか」という論点について解説してきました。

相続登記の申請人は「相続人」であり、遺言執行者は相続登記の申請権限がないということを覚えておいてください。

・相続登記は不動産を相続する人からの単独申請
・遺言執行者は相続登記に関して申請人となれない
・遺贈登記との混乱に要注意


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