不動産を相続しない人の住民票は必要?(相続登記)
故人の遺産に不動産が含まれるときは、相続登記が必要です。
相続登記の必要書類に「相続人の住民票」があります。
これは相続人全員について必要なのでしょうか?
不動産を相続する人のみで足りるのでしょうか?
このページでは「相続登記の際に住民票を必要とする相続人」について解説いたします。
相続登記の際には、住民票が必要になる
相続登記とは不動産名義を「故人→相続人」に変更する手続きです。
不動産所在地を管轄する法務局に対して相続登記の申請を行います。
登記名義人は登記簿に住所・氏名が記録される!
不動産の権利関係(名義人情報)は「不動産登記簿」という帳簿によって管理されています。
登記簿には「所有者の住所・氏名」等の不動産に関する情報が記録されているのです。
登記簿に正確な住所氏名を反映させる為、登記申請の段階で「住所氏名を証明する情報」の提出をしなければなりません。(住所証明情報)
その用途の為に住民票が必要になるのです。
相続人全員の住民票が必要というわけではない
相続人全員について住民票が必要ということはありません。
簡単に説明すると「新たに不動産名義人となる相続人のみ」住民票の用意が必要になるのです。
不動産名義を承継しない人に関しては住民票の準備は一切不要です。
以下、具体例をもとに解説いたします。
具体例:相続登記と相続人住民票について
相続人A、B、Cの3人:不動産はAが相続する場合
この場合、住民票の用意が必要なのは「Aさん」のみです。
不動産を相続しない相続人である「Bさん・Cさん」については住民票の用意は不要です。
相続人A、B、Cの3人:不動産はA・B・C3分の1ずつ共同相続する
この場合は、3分の1ずつの割合で3人が不動産名義人となります。
そのため、3人全員分の住民票が必要です。
相続人A、B、Cの3人:不動産はAが相続する場合
東京と札幌に不動産あり
この場合、不動産相続者ではない「B・C」の住民票は当然不要です。
Aは不動産を承継しますので住民票が必要になります。
問題はAさんが用意すべき住民票の通数です。
【住民票は1通でOK!】
今回は「東京・札幌」に遺産相続の対象となる不動産があります。
そのため、相続登記は
・東京の法務局
・札幌の法務局
にそれぞれ申請をすることになります。(合計2件)
申請は2件となりますが、取得する住民票は1通で構いません。
「原本還付」という制度があります。
登記申請の際に原本還付の申出をすることによって、手続き終了後に住民票原本が返却されるのです。
そのため、1通のみ取得し、それを2件使いまわせばOKです。
まとめ
ここまで「不動産を相続しない人の住民票は必要か?」について解説してきました。
相続登記において住民票が必要なのは「不動産相続者のみ」ということをご理解いただき、今後の相続登記にお役立てください。
・相続登記の必要書類に住民票がある
・住民票は不動産を相続する人のみ必要
・不動産を相続しない相続人については不要