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相続登記では住所変更登記を省略できるか?

相続登記とは不動産名義を「故人→相続人」とする手続きのことです。

相続登記とは別に「住所変更登記」という登記があります。
住所が変わった後に「登記簿上の住所」を現住所に変更する申請です。

それでは、

・登記簿上の故人の住所
・故人の住所

が異なるとき、相続登記の前提として住所変更登記が必要になるのでしょうか??

このページでは「相続登記の前提として住所変更登記が必要か?」という論点について解説いたします。

「登記簿上の住所・故人の住所」の2つが一致しないこともありうる

相続登記とは、不動産登記簿の所有者を変更する手続きです。
不動産登記簿には、所有者の「住所・氏名」が記録されています。

実はこの住所ですが、所有者の現在の正確な住所が記録されているとは限らないのです。

住所変更登記を申請しない限り、登記簿上の住所は昔のまま

転居などにより住所が変わったとしても、「何もしないまま」放置しておくと登記簿上の住所は古い住所のままになります。

「住所変更登記」をしないと登記簿上の住所は変更されないのです。

【住所変更登記は放置している方も多い!】
住所変更登記は強制ではありません。申請するかどうかは当事者の判断に任されています。

実際、緊急で住所変更登記をしなくても特に実害があるわけではないので、放置している方も多いというのが実情です。

相続登記の前提として住所変更登記は必要??

故人が住所変更登記をしないまま死亡した場合、住所変更登記は必要なのでしょうか?

実は「相続登記の前提として住所変更登記は不要です!
要は、住所変更登記を省略していきなり相続登記を申請しても問題ないということです。

相続登記は例外扱い:他の登記申請の場合は住所変更登記がいる!

あくまでの相続登記は例外扱いになります。
通常であれば、まず住所変更登記を申請する必要があるのです。

【生前贈与の例】
不動産について父Aさん→息子Bさんに生前贈与。

Aさんの登記の住所:東京都練馬区大泉学園町○丁目○番○号
Aさんの現在の住所:東京都世田谷区経堂○丁目○番○号

【必要な登記申請】
1.Aさんの住所変更登記
2.Aさん→Bさんへの所有権移転登記

となります。

このようにほとんどの登記申請の場面では「住所変更登記」が必要です。(あくまでも相続登記については例外的に省略できる。)

では、なぜ前提として住所変更登記が必要なのか?

住所変更登記が必要な理由は、

・登記申請者
・登記名義人

が同じ人物であるということを証明するためです。

先ほどの【生前贈与の具体例】にて説明いたします。

前提となる住所変更登記をしないで、いきなり所有権移転登記(生前贈与)をした場合には、

・登記申請者Aさんの住所(東京都世田谷区)
→印鑑証明書に記載されている現住所
・登記名義人Aさんの住所(東京都練馬区)
→登記簿上に記載されている住所

2つの住所表示が異なっています。

これでは、

・今回息子に不動産を贈与しようとしている人
・登記名義人

が同じ人物かどうか判断できません。
(=このままでは登記不可)

相続登記は例外的に住所変更登記を省略できる

上記で説明したとおり、一般的な登記では前提として住所変更が必要なのが原則です。
しかし、相続登記では例外的に住所変更登記の省略ができます。

「登記の所有者」と「故人」の住所違うままで本当に大丈夫??

住所変更登記を省略できるということは

・故人の住所
・登記名義人の住所

が異なったままという状態になります。

住所が違ったままで本当に大丈夫なのでしょうか?
同一人物であることの確認は不要なのでしょうか?

住所変更登記は省略可能!でも、住所変更の証明は必要です!

「故人の住所・登記名義人の住所」が異なる状態。これでは、

・今回亡くなった人
・登記名義人

が同じ人物かどうか判断できません。
そのため、同一人物であることを証明する必要があります。

【住所変更登記は省略できます。けど住所変更の証明は必要!】
住民票の除票(又は戸籍の附票)を使って

・不動産登記簿に記録されている住所
・故人の住所履歴

の2つを繋げる必要があるのです。

少しわかりづらいと思いますので、具体例にて説明します。

住所変遷の証明:具体例

故人の住所:東京都豊島区目白○丁目○番○号
登記の住所:東京都墨田区両国○丁目○番○号

まず住民票除票を豊島区に請求しましょう。

住民票には前住所の記載があります。転入前の住所地の表示です。
豊島区転入前の住所が「墨田区両国」であったならば、住民票除票に「墨田区両国の住所」が載っています。

その結果、

・故人の住所:豊島区目白
・登記の住所:墨田区両国

のつながりを証明できました。

住所変遷の証明:具体例その2

故人の住所:東京都豊島区目白○丁目○番○号
登記の住所:東京都墨田区両国○丁目○番○号
墨田区→大田区→中野区→豊島区」と住所変遷していた場合

この場合、豊島区で住民票除票を取得しただけでは「住所のつながり」は証明できません。
豊島区の住民票に載るのは「転入前の住所地(=中野区だけ)」です。

そのあと「中野区・大田区」と順番に請求していくことでやっと

・故人の住所:豊島区目白
・登記の住所:墨田区両国

のつながりを証明できるのです。

【戸籍の附票を請求するという手もある!】
上記の例では「豊島区、中野区、大田区」と請求先が多くなります。
とても面倒です。そんなときは「戸籍の附票」を請求しましょう。

「本籍地・筆頭者」から住所履歴をすべて記載してくれる書類です。

もし婚姻後に「墨田区→大田区→中野区→豊島区」と住所を変えた場合、戸籍の附票であれば一発で

・故人の住所:豊島区目白
・登記の住所:墨田区両国

のつながりを証明できるのです。

まとめ

ここまで、「相続登記の際に住所変更登記を省略できるか」という論点について解説をしてきました。

「相続登記は例外的に住所変更登記の省略ができる。しかし、住所変遷の証明は必要である」ということを覚えていただければと思います。長くなりましたので最後にまとめます。

・相続登記は住所変更登記について省略可能
→いきない相続登記してOK!
・住所変遷については証明必要になる
→「故人の住所・登記簿上の住所」のつながりが分かる住民票(戸籍の附票)が必要。


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