相続登記完了後、古い権利証の正しい扱い方
「故人所有の不動産を相続人に名義変更する。」
この手続きのことを相続登記といいます。
相続登記が無事に完了すると、法務局から新名義人に新しい権利証が発行されます。
このとき、これまでの権利証(故人名義の権利証)の効力はどうなってしまうのでしょうか??
また、どのように扱うのが良いのでしょうか??
このページでは、相続登記完了後の古い権利証の正しい扱い方について解説いたします。
相続登記が完了すると、権利証が新しくなる!
不動産の名義変更(相続登記)が無事に完了すると、法務局から「登記識別情報通知」という書面が発行されます。
登記識別情報??
これは昔でいうところの権利証のことです。
現行の制度では、厳密に言えば権利証は発行されません。
登記識別情報は、登記名義人であることの証明資料として、登記所から発行される資料です。
従来の「登記済証」に代わるものとお考えください。
昔の権利証の効力はどうなる??
結論:相続登記が完了すると、昔の権利証の効力はなくなります。
権利証というのは、その人物が当該不動産の所有者であることを示す資料です。
相続登記がされたことにより、相続人が「新所有者」になりました。それに伴い、登記簿上「故人」の所有ではなくなりました。
その結果、古い権利証の効力がなくなるということです。
要注意:名義人が死亡した事実だけでは権利証は無効にならない!
間違っても「名義人が死亡したら権利証は無効」とは覚えないでください。
1.不動産について所有者が変わる
2.新所有者に登記識別情報(権利証)が発行される
3.古い権利証の効力がなくなる
という順番です。
名義人が死亡した時点では権利証は有効です。
「相続登記がされ、相続人に名義変更されるまで」古い権利証は有効ですので、厳重に扱ってください。
古い権利証はどう扱えばよい?
先ほどから説明しているように、相続登記完了に伴い古い権利証は効力を失います。
簡単にいいますと、法律上は「ただの紙」になるということです。
ですので、どのように扱っていただいても構いません。
廃棄される方もいらっしゃいますし、その後も保管される方もいらっしゃいます。
家族の皆さんで相談して決めるとよいでしょう。
法律上はただの紙だけど・・
古い権利証は法律上はただの紙になってしまいます。
ほかの方から見れば価値のない書類になってしまうかもしれませんが、ご家族の皆様にとってはそうではないことも多いと思います。
思い出がたくさん詰まった家の権利証であればなおさらでしょう。
権利証の中をよく見てみてください。
中には土地測量図や建物図面など土地・家に関する情報が多く記録されています。
土地・家に関する貴重な資料として保管されるのもよい選択であると私は思います。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
最後に「相続登記完了後の古い権利証の扱い方」についてまとめます。
・相続登記完了により古い権利証の効力はなくなる
・その結果、古い権利証は「ただの紙」になる
・(どのように扱っても問題ないが、)旧権利証は家族にとっては貴重な資料であるため保管するのもよい選択