相続登記に名寄帳は必要か?

故人名義の不動産がある場合には「相続登記」が必要です。

登記申請をする際には、事前に書類集めをする必要があります。
この場合「名寄帳」は必要になるのでしょうか?

このページでは相続登記に名寄帳は必要なのかについて解説いたします。

名寄帳とは?

まずはじめ、名寄帳という書類について説明したいと思います。

名寄帳という書類は、ほとんどの方にとって馴染みのない書類であると思います。
読み方は「名寄帳(なよせちょう)」と読みます。

名寄帳とは、

・ある市区町村に存在する
・特定人(Aさん)名義の不動産全部

を証明してくれる書類です。

相続登記:不動産調査が第1段階

相続登記をする際には、まず故人名義となっている不動産を把握する必要があります。
不動産調査の用途に「名寄帳」という書類は大変便利です。

名寄帳を取得することで、

・ある特定の市区町村内にある
・故人名義の不動産全部

を確実に把握することが可能となります。

名寄帳はわざわざ取得しなくても手続き可能

上記にて「名寄帳は不動産調査に有効」という説明をいたしました。

ただ、この書類は相続登記に必須の書類とはいえません。
この書類を取得しなくても、無事に相続登記を終わらせることも可能なのです。

実際、私が担当する大半の相続登記事例では名寄帳を取得しません。
そもそも、名寄帳を取得する必要もないと考えているからです。

当事務所では大半のケースにおいて、

・固定資産税の納税通知書
・不動産の権利証

によって故人名義の不動産を把握しています。

しかし、例外的に名寄帳を取得した方が良いケースというのが存在します。
以下、名寄帳取得を推奨する事例について解説いたします。

名寄帳の取得を推奨する事例:相続登記

名寄帳を取得する目的は、

・故人名義の全不動産の把握
・これにより手続き漏れをなくす

という2点にあります。

当事務所において名寄帳を取得するのは、

・私道(公衆用道路)が含まれる場合
・地方に山林・田畑などを保有しているとき
・故人と相続人が疎遠であった(遺産把握が困難)のとき
・直近で相続により不動産を取得しているとき

といった場合です。

以下、それぞれについて解説いたします。

名寄帳を取得するケース:私道あり

一戸建て(土地・建物)に私道部分が存在する場合があります。

私道部分は調査が少し困難です。
そのため、「把握漏れ・手続き漏れ」が生じる可能性が高まります。

したがって、私道部分が存在するときは名寄帳を取得して確実に不動産概要を調査した方が良いでしょう。

地方に山林・田畑などを保有している場合

山林等を複数人で共同所有している」ということが考えられます。

共有の場合、故人の固定資産税納税通知書に該当物件(山林・田畑など)が登場しないこともあるのです。
そのため、名寄帳を取得するようにしています。

名寄帳を取得しないと、該当物件を把握することは困難です。
手続き漏れにより、そのまま名義が長年放置される事例も大変多いです。

故人と疎遠(遺産の把握が困難)である事例

故人名義の不動産が完全に把握できていれば名寄帳は不要です。
その反対で「遺産の把握が困難なケース」では、名寄帳は必須の書類といえます。

故人と疎遠な関係で遺産概要が掴めない」ということは珍しいことではありません。
このような場合は、名寄帳を有効に活用しましょう。

直近で相続により不動産を取得している

遺産相続などにより(家族の知らないところで)不動産を取得していることがあります。

故人の兄弟姉妹がいる場合は、その方々に「直近で相続により不動産取得の有無」を確認しておくと良いでしょう。
場合によっては、念のため名寄帳を取得した方がよいケースもあります。

まとめ

ここまで「相続登記に名寄帳は必要なのか」について解説しました。
必要になる場面があることを覚えていただき、今後の相続登記にお役立てください。

・名寄帳は取得しなくても相続登記可能
・ただし、取得した方が良い事例もある
・私道がある場合等はその代表例


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