住所と本籍地が同じ:相続登記に住民票除票は必要?
故人名義の不動産がある場合には相続登記が必要です。
相続登記の必要書類に「住民票除票」があります。
これは、全ての相続登記において必須の書類なのでしょうか?
(例外はないのでしょうか?)
このページでは「住所と本籍地が同じ場合の相続登記&住民票除票」について解説いたします。
原則:住民票除票は相続登記に必要です
まず原則について説明いたします。
相続登記において、基本的には故人の住民票除票は必要です。
そのため、「必要・不要」で迷っているのであれば取得しておくことを推奨します。
住民票除票は「本籍地入り」のものを準備!
なお、故人の住民票除票を準備する際は「本籍地記載の有無」にご注意ください。
相続登記で必要な住民票除票は「本籍地の記載あり」のものです。
本籍地を抜かしてしまうと、法務局から再度書類の取り直しを求められてしまうでしょう。
(「続柄・世帯主」などの情報は任意です。入れなくても構いません。)
住民票除票=戸籍附票で代用可能!
なお、住民票除票は「戸籍の附票」という書類でも代用することができます。
・故人の住民票除票
・故人の戸籍の附票
のいずれかが必要ということを覚えておいてください。
例外:相続登記に住民票除票が不要なケースもある!
ここまで原則論「相続登記には故人の住民票が必要」と説明をしてきました。
原則があれば例外もあります。ここからは例外(相続登記において住民票除票が不要の場面)について説明いたします。
故人の住所地と本籍地が同じ場合:住民票除票は不要!
結論から申し上げますと、
・故人の住所地
・故人の本籍地
が同じ場合には、相続登記において住民票除票の添付は不要となります。
「住所・本籍地」の記載が全く同じ場合のみ
上記で説明した「住所地・本籍地が同じ」というのは、両者が完全一致する場合のみを指します。
【例】
・住所地:東京都豊島区池袋8丁目8番8号
・本籍地:東京都豊島区池袋8丁目8番
→この場合、相続登記において住民票除票は不要
市区町村のみ同じとき:原則どおり住民票除票が必要!
上記で紹介したケースは「住所・本籍が全て一致しているケース」です。
「市区町村のみ一致しているが、町名・丁目・番地などは異なる」といったケースは、原則どおり住民票除票は必要となります。
【例】
・住所地:東京都豊島区池袋七丁目7番7号
・本籍地:東京都豊島区池袋八丁目8番
→原則どおり住民票除票は必要です。
(豊島区池袋までは一緒だが、その後の記載が異なる!)
住民票除票が例外的に不要となる理由
ここまで、
・原則→相続登記には住民票除票が必要
・例外→故人の「住所地・本籍地」が全く同じ場合は不要
と説明いたしました。
以下、例外事項の理由について簡単に説明いたします。
なぜ住民票除票が要求されるの?
それでは、そもそもなぜ住民票除票が要求されるのでしょうか?
(死亡の旨は戸籍謄本で確認できるのに)
それは「今回の死亡者:不動産の登記名義人」の両者が同一人物であることを確認するためです。
・戸籍謄本→本籍地と氏名が記載
・住民票除票→住所と氏名と本籍地が記載
となります。
住民票除票を添付することにより「故人&不動産名義人」をリンクさせることができます。
その結果、「同姓同名の別人物でない旨(同じ人物であること)」を証明しているのです。
住所地&本籍地同じ=既に同一性の確認ができている
「本籍地・住所地」が異なる場合には、住民票除票を使って同一人物である旨を証明します。
裏を返せば「本籍地・住所地」が全く同じ場合には、同一性確認の作業がそもそも不要なのです。
(既に同一性の確認ができているということ)
まとめ
ここまで「相続登記と住民票除票(本籍地・住所が同じ場合)」について解説いたしました。
このページの内容を参考に、今後の相続登記にお役立てください。
・相続登記には故人の住民票除票が必要(原則)
・まれに不要となるケースがある
→故人の住所地・本籍地が全く同じ場合(例外)