相続登記申請書(持分移転)の書式、書き方
故人名義の不動産があるときは相続登記の申請が必要です。
必要書類の準備ができたら、相続登記申請書を作成しましょう。
相続登記申請書(持分移転)
相続登記の申請書は事例に応じて様々なパターンがあります。
故人が
・不動産を単独所有しているケース
・誰かと共有している(持分所有)のケース
ではそれぞれ申請書の書式が異なります。
このページでは、「相続登記申請書(持分移転)の書式、書き方」について解説いたします。
登記の目的、相続人、課税価格の書き方に要注意
相続登記(持分移転)における通常の相続登記(土地・家の単独名義人が死亡)と違う点について解説します。
持分移転の場合の相続登記申請書で特に注意が必要なのが、
・登記の目的
・相続人の持分記載
・課税価格
についての書き方です。以下、申請書ひな形を紹介いたします。
相続登記申請書(持分移転)の書式・記載例を紹介します
登記申請書(持分移転)の事例
Aさんに相続発生。
自宅(土地・建物)はAさんと妻Bさんとの共有名義となっている。
持分割合は「Aさん2分の1、Bさん2分の1」
→今回Aさんの死亡によりA持分をBさんへ移動させる相続登記を申請。
相続登記申請書
登記の目的 A持分全部移転
(↑上記のように「○○持分全部移転」という記載になる↑)
原因 平成29年○月○日相続
相続人(被相続人A)
東京都新宿区○丁目○番○号
持分2分の1 B(印)
(↑上記のように相続人欄に取得持分を忘れずに記載すること↑)
連絡先の電話番号 03-XXXX-XXXX
添付書類 登記原因証明情報 住所証明情報
平成29年〇月〇日申請 東京法務局新宿出張所
課税価格 移転した持分の価格 金1500万円
(↑上記のように「移転した持分の価格」と忘れずに記載すること↑)
登録免許税 金6万円
不動産の表示
(省略)
以上が、持分移転の場合の相続登記申請書の書式・記載例です。
相続登記申請書(持分移転)で気を付けること
先ほども説明いたしましたが、持分移転の登記申請書で気を付けることは、
・登記記の目的
・相続人の持分記載
・課税価格
の3点です。
登記の目的は、「○○持分全部移転」という書き方をします。
(「所有権移転」とは書かない。)
相続人欄には「住所・氏名」のほか、「移転持分」も記載します。
そして、課税価格の欄には「移転した持分の価格」という記載を加えます。
【登録免許税の計算について】
持分移転の場合、登録免許税の計算を間違えてしまう方がいらっしゃいます。
相続登記(持分移転)の場合には、不動産全体が移転対象となるわけではありません。ですので、課税価格・登録免許税も「持分割合に応じたもの」となります。
例:3000万円の土地
Aさん死亡。Aさん持分2分の1
↓
課税価格は1500万円(3000万円の2分の1となる)
登録免許税は6万円(=1500万円×0.004)
単独所有の物件もあるときは?
事例によっては
・A土地は故人の単独所有
・B土地は共有(持分所有)
ということもあると思います。
このようなときは、申請書を「別々にする」ことが一般的です。
1.単独所有分についての相続登記
→「登記の目的欄:所有権移転」
2.持分所有分についての相続登記
→「登記の目的欄:○○持分全部移転」
このように2つの申請書を作成し連件申請するとよいでしょう。
まとめ
ここまで「相続登記申請書(持分移転)の書式・書き方」について解説してきました。
これから相続登記(持分移転)を申請する際にお役立てください。
【相続登記申請書(持分移転):まとめ】
・持分移転の登記申請書では「登記の目的、相続人欄の持分表示、課税価格」の書き方に要注意
・登録免許税は移転する持分割合に該当する部分を支払えばOK