遺言書(自筆証書遺言)の正しい書き方とは?
自分で書く(手書き)形式の遺言書を「自筆証書遺言」といいます。
自筆証書遺言は「ペン・紙・印鑑」さえあれば簡単に作成することが可能です。
手軽であるため、自筆証書遺言は士業や公証人などの専門職が関与せずに作成されることが多いです。
自筆証書遺言の書き方は決まった様式がある!
遺言書は、作成後に法律文書として効力を持ちます。
そのため、法律文書として書き方に決まりがあるのです。
自分で遺言書を書く場合には、正しい要件・形式に沿って書く必要があります。
もし、遺言書の間違えた書き方をしてしまうと遺言書としての効力が認められないことがあります。
(※ただの紙になってしまう・・・)
このページでは、自筆証書遺言を作成する時に注意すべきポイント(自筆証書遺言の要件・書き方)を解説いたします。
自筆証書遺言(手書きの遺言書)の正しい書き方
自筆証書遺言の作成では、
・自筆で書く
・日付を書く
・署名捺印をする
という3点が必要となります。
以下、それぞれについて詳しく解説いたします。
正しい自筆証書遺言の書き方1:自筆で書く
自筆証書遺言の書き方は「自筆で作る」ということが要件になります。
今は、パソコンで文書を作ることも多いと思います。
しかし、遺言書をパソコンで作成してはいけません。
パソコンで作成するのは様式違反です。結果として遺言書として無効となります。
また、自分で書くのが面倒だからといって、他の人に書いてもらった遺言書も無効です。
正しい自筆証書遺言の書き方・要件を満たすためには、必ず遺言者本人が自筆してください。
正しい自筆証書遺言の書き方2:日付の記入
次に「日付」について解説いたします。
自筆証書遺言作成にあたっては「日付をはっきりと書く」ということが必要です。
日付の入っていない自筆証書遺言は形式違反になり無効になってしまいます。
また、曖昧な日付の書き方はよろしくありません。
・2018年4月
・4月1日(年の記載なし)
・2015年吉日
上記のように、全ての年月日が正確に記載されていない場合は、いつ遺言書が書かれたのかが判明しません。
これは、遺言書の要件・書き方として正しくありません。
結果として、遺言書としては無効になります。
正確な日付が要求される理由
正確な日付が要求されている理由は、
・遺言書作成時の遺言能力の有無をはっきりさせるため
(遺言書を書いた本人が認知症を発症し、遺言能力がなくなった場合に備える)
・複数の遺言書が発見された場合に作成された日の先後をはっきりさせるため
です。
正しい自筆証書遺言の書き方・要件を満たすためには、日付をはっきり書いてください。
正しい自筆証書遺言の要件3:本人の署名捺印
最後に「遺言書への署名捺印」について解説いたします。
自筆証書遺言の要件に「署名捺印」があります。
正しい遺言書を書き終えたら、最後に署名と捺印をしてください。
署名について
署名については、作成者個人を特定できるように氏・名を正確に記載しましょう。
・名字のみ
・名前のみ
では無効となります。
なお、個人を特定できるのであれば、屋号・通称でも署名は有効となります。
捺印について
捺印する印鑑については、必ずしも実印でなくても構いません。
認印又は実印を遺言書に押印してください。
なお、シャチハタでも文書は無効とはなりませんが、なるべく使用しないことを推奨いたします。
まとめ
ここまで自筆証書遺言(手書きの遺言書)の正しい書き方についての解説いたしました。
上記内容を参考に、今後の遺産相続にお役立てください。
なお、この他にも自筆証書遺言の必要要件(書き方)があります。
その他の詳しい書き方については≪遺言書(自筆証書遺言)の正しい書き方(2)≫をご参照ください。
・自筆証書遺言には書き方の決まりがある。
・書き方を間違えると遺言書として無効(=ただの紙になってしまう)
・遺言書を書く時は、「手書き・日付、署名押印」が必要